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4文小説 Vol.43

「苦しい…」一人きりになるとつい、そう声に出して呟くのが癖になってしまった。

薬の力を借りても眠れず起きてしまい、食欲が落ちて就職以来の最低記録を更新し続ける体重は56キロ台に減少、ふと、涙が込み上げるときもある。

9時過ぎまで二度寝して、ポテトチップスのコンソメパンチとハーゲンダッツの華もちを頬張りながら、バスケに柔道にハンドボールとパリ五輪をザッピング、自宅に帰った週末は、何ごとも無かったように元気を取り戻す。

すべて、同一人物に起きた最近1週間の出来事なのだから、われながら、いま自分がどちらに立っているのかわからなくなる。

―異常と正常の間で

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