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昨夜観たスロウトレインがよかった件
録画していた『スロウトレイン』を、昨夜観た。
幼い頃に両親を亡くして以来、肩を寄せ合って生きてきた3姉弟。けれど大人になれば仕事や結婚、みんなそれぞれ何かしらの悩みを抱えるようになるもので、この姉弟も三者三様の人生を歩みはじめる。
しっかりもので前向きな長女を松たか子さん、ひらりひらりと一見つかみどころのない次女を多部未華子さん、繊細でまわりをよくみている末っ子長男を松坂桃李さんが演じる。
そのほか星野源さん、井浦新さん、リリーフランキーさんと雰囲気ばっちりの配役も手伝って、2時間あっという間だった。
これまで最優先にしてきたのは「3人の」幸せ。
でもこれからは「それぞれの」幸せに向かって歩んでいくのだ。
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それぞれの人生とは、好き勝手に生きる人生ではない。
自分のこと、家族(姉弟)はじめ、パートナー、その家族のこと。
大切な人まで含めて、自分はどうしたいのか。
もちろん結婚しない選択肢だってある。
このドラマは、ともすれば「同性愛や人種、文化など多様性の問題をとりあえず扱ってみた」作品になりかねなかったと思う。
末っ子長男のパートナーは男性だし、次女のパートナーは韓国人だ。
けれども、よくありがちな薄っぺらい作品になっていないのは、もはや同性愛や国際結婚をネックとしていないからだ。
たまたま相手が同性だった。
たまたま相手の国籍が自分とは違った。
性別や国籍ではなくて「自分にとっての幸せとはなにか」を3人が3人とも追求していく。
もちろん、結婚だけがすべてではない。結婚しない幸せだってある。
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長女・葉子についてはとくに魅力的だと感じた。
誰に対しても、自分がよくなかったということがあれば、過ちを素直に認めて謝れる。
そして「家族にだって言いたくないことはある」と、相手が家族であっても自分の気持ちをしっかり優先する部分を持っている。
妹・弟が家を出て、自宅でひとりになった葉子。
ひとりで夕飯をつくり、テレビをみながらひとりで夕飯を食べ、広くなった部屋で夜食を食べながら深い時間まで働き、ソファで寝落ちする。
妹・弟が巣立っていった寂しさを感じさせない。むしろ誰にも気兼ねせず、ひとりの生活を楽しんでいるようにさえみえる。
妹から「お姉ちゃんはなんでいつも自信満々なの?」と問われる場面があった。自信満々ではなく、いつも自分に集中しているだけだ、きっと。
2人が家を出たさみしさももちろんあるだろうけれど、「くよくよしていても仕方がない」と割り切る力に長けている。
だからいつも自信満々にみえるんだと思う。
わたしも考えたい。
自分の人生。だいじな人の人生。
今日も読んでくれてありがとうございます。
あなたはどんな人生を歩みたいですか?