あれから10年
こんにちは、あむのです。
私は今年で27になります。
10年前といえば、17歳。
私にとって忘れられない年です。
10年前の夏、高校を中途退学しました。
原因は十二指腸潰瘍や起立性調節障害による体調不良です。
出席日数が足りなくなり、このままでは留年なるというところで、私は退学を選択しました。
通っていた高校は、中学生の頃から憧れていた学校でした。
部活動や行事が盛んで、見に行った文化祭から伝わってくる自由な校風に惹かれました。
入試は自校作成問題のため難易度が高く、推薦入試を狙うしかなかった私は、先生の協力を借りながら面接や集団討論、論文の対策をしました。
いわゆる自己分析というやつも、当時ノートにびっしり書いた記憶があります。
入試当日は快晴で、Radioheadの"Creep"を聴きながら向かいました。
理由は特にありませんが、当時好きでした。
論文問題で、書き終えたあと足がガタガタ震えていたことに気がつき自分で笑ってしまったのを覚えています。
結果はありがたいことに合格。
春からの新生活に心踊らせ、浮かれていました。
いま思えば、気負いすぎていたんだと思います。
もっと適当でいいし、もっと手を抜いていいし、もっと気楽でいいのに。
そうすれば、最後まで高校に通えたかもしれないのに。
まぁでも十代って難しいですよね。
集団生活がそうさせてくれない一面もあるし。
高校を辞めてからは自宅療養で、回復してから高卒認定試験を受けました。
それから、初めてのアルバイトもしました。
「メンタル鍛えるために来たんでしょ?」
と、ある日先輩に言われ、「は?違うわボケ。私の何を知ってるんだよ。」と心の中で悪態つきながらも、本格的に大学受験の勉強を始めるギリギリまでバイトは続けました。
自分でお金を稼ぐというのは、えも言われぬ快感でした。
それに、大学生のアルバイトが多く、大学生活の話を聞く機会もあり、私の中で大学受験が新たな目標として設定されるきっかけにもなりました。
高校中退という事実に、心はヒリヒリしました。
当時は自分を保つので精一杯でしたが、そのとき助けてくれたのも音楽でした。
宇多田ヒカルさんの曲は、他の曲も、何度も、何度も聴いて心の中で反芻しました。
高校3年の年、18歳の夏に初めて模試を受けましたが、あまりの悲惨な結果に笑えるほどでした。
数学とか25点くらいだった気がする…。
ちょうど高校も夏休みで、先生の許可が降りたので、学校の試験対策に顔を出したりしました。
久しぶりに同級生に会えるのが嬉しく、また悲しくもありました。
ちょうど同じ頃、先生に進路のことを相談して、文系私立に絞ることにし、数学は捨てました(笑)
アルバイトを辞めて、ありがたいことに時間は吐いて捨てるほどあったので、予備校には通わず、自宅や図書館で受験勉強をしました。
結果、無事に志望していた大学に合格することができました。
しかし、高校入試に合格したときのような心からの喜びは湧いてこず、あぁ、受かったか、浪人しなくて済んだ、くらいの感覚でした。
「期待しない」ことで予防線を張っていたのだと思います。
期待して、浮かれて、体調崩して、諦めて。
もうあんな経験は懲り懲りだと思っていたのでしょう。
あれから10年経って、なんとか卒業して結局フリーターをやっていますが、大学進学したことを後悔したことはありません。
それまでと違って、様々なバックグラウンドを持つ友人や先輩後輩に出会えたからです。
今でも会って話を聞いてくれる友人もいるし、あのとき大学進学を決めてよかったな、と心から思えます。
高校中退は、もしかしたら一生ついて回るかもしれません。
傷が癒えることもないでしょう。
けれど10年経って、よかったとは決して言えなくても、仕方なかった、くらいには思えるようになれました。
生きるって、それの繰り返しかもしれません。
ちょうど節目の年だったので、過去に思いを馳せてみました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
あむの
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