「何を守るのか、それが問題だ」 ウクライナ🇺🇦の人々に思いを寄せ続けたいー何もできない無力感にさいなまれながらでも・・・(13)
今回もUkraineに関する新聞記事から心に響いた言葉を記したい。4月30日付 朝日新聞から早稲田大学教授(憲法学) 長谷部恭男氏の「戦争と憲法」から(要約と引用)
長谷部教授は、ジャン=ジャック・ルソーの言葉を引用して、「戦争において攻撃の対象となっているのは敵国の社会契約、つまり憲法原理である。憲法原理が根底的に異なるからこそ国家は対立する」と述べている。
「共産主義陣営と自由主義陣営が対立した冷戦も、共産主義陣営がリベラルな議会制民主主義国家になることで終結したはずであった。しかし、Russiaは、今も議会制民主主義を受け入れていない。」と。
プーチンが演説でたびたび引用する思想家イヴァン・イリインの思想は、「救世主により指導されるロシア民族が、民族の浄化と敵対者との戦闘を経て、最終的に無限の神との合一に至る」と主張するあからさまなファシズムである、と。
ヘーゲル思想を歪曲したファシズム(マルクス主義も)は、「現状で受容されている法や道徳は、歴史をさらに高度な段階へと進展させる「革命」によって破壊されると説く。国際法も人道法も守るにはあたいせず、あからさまな嘘をつくこともさしたることではない」という思想だ、と。
だからゼレンスキー大統領が、イギリス議会での演説で引用した「ハムレット」の “to be or not to be”の意味は、日本で訳されているような「生きるべきか死ぬべきか」などではなく、「(運命に逆らって)闘うべきか、それとも(運命に)屈従すべきか」と訳すべき台詞だ、と。
「ゼレンスキーは絶体絶命に見える運命に逆らってでも、Ukraine の憲法原理を守るため徹底抗戦すると宣言したのである」と。
「屈従することはRussiaの属国になること、選挙はすべて見せかけで、政敵は暗殺されるか投獄され、選挙結果も護摩化され、抗議デモの参加者は暴力的に抑圧され、独裁者がいすわり続けて彼とその取り巻きが国富の多くを猫ババする国になることを意味する」と。それとも、
「数年毎の選挙で為政者を交代させ、公正な選挙で選ばれた議員による審議と決定で国政を運営するまっとうな、ヨーロッパ型の議会制民主主義国家になるかの選択である」と。
「命をかけても徹底抗戦するというゼレンスキーの言葉が理解できない人は、この選択の意味が理解できない人である」と。
このような国歌を持つ国である。どれほど大国や歴史の波に翻弄されて、現在にたどり着いたのか。その歴史を斜め読みした私にも、この国の苦難の歴史には胸の痛みを覚える。だからこそ、この理不尽な侵略に打ち勝ってほしいと願っている。
最後に、これも5月6日付 朝日新聞。日本政府への期待について尋ねられたウクライナ国連大使キスリツァ氏の答えは?
「私の答えは、あなたへの質問だ。日本国民は日本政府に何を期待するのか」「今、国際社会はUkraine を助けている。同じように、有事の際に日本が国際社会に助けてもらうために、どのようなウクライナ支援ができるのか、あなたが考えてほしい・・・」