今日ときめいた言葉3ー「人間は体全体で世界を認識している」(光と音のデジタルアートの力)
(NHKテレビインタビュー 「ここから」アート集団代表 猪子寿之/タイトル写真はアート集団のデジタルアート作品 YouTube から転載)
猪子寿之氏は、音と光のデジタルアートの創作集団を率いる代表である。インタビューで語った彼の言葉にときめいた。彼のチームが手がけた数々の作品を見ると、このインタビューで語られていることを体現しようとしていることがわかる。
人間は体全体で世界を認識しているということを作品を体験することで気づかされる。
「都市にいると頭だけで理解したつもりになってしまう。例えばテレビを見てスマホを見て、知ったつもりになるけども、本当はもっと人間は体で世界を認識していて、体験を通して世界を認識していると思う。体験が価値観を変える」
「ネットを見てテレビを見て文章を読んで人の話だけ聞いて、つまり頭だけで理解したつもりになる。言葉や論理で理解しようとすることは、この世界を切り刻んで理解することのような気がする。ほうっておくと世界が切り刻まれすぎてつまらないものになってしまう」
「人はたぶん自分の存在よりも大きな存在を知った時、もしくはその存在に対峙したとき何か意味を感じるんだと思う。自分が見たことのないような、特殊な自然が作った雄大な景色だったり、ありえない時間を感じるような何か遺跡だったり、そういうものに意味を感じてしまうんだと思う。時間は延々と連続しているにもかかわらず、すごく長い時間を人は感じられない」
「すごく特殊な自然が長い時間をかけて作った雄大な景色を見たとき、時間の存在に気づけてたぶんすごく感動する。わざわざ飛行機に乗ってまで遺跡を見に行って感動するのって、そこに何かすごい時間があるからだと思う」
「自分が生きた時間よりも長い時間の存在に気づけた時に、人は感動すると思っていて、自分が生きていることを全面肯定できる。他者が生きていることを全面肯定できる。この世界をすごく肯定できるような気がして、生きていることに対して幸福な気持ちになれる」
「全面肯定できる瞬間というのは、究極的にエンターテイメント。単純に一番楽しいんだね」