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今日ときめいた言葉39ー「自分の人生はその意味づけによって、いくらでもリッチにできる」

(2023年4月26日付 朝日新聞「心のはなし」ーリスキリング(学び直し)への心構えはー社会学者 橋爪大三郎氏の言葉)

「リスキリング。危ない言葉ですね。『労働者にお前のスキルはもう古い』と言っているようなものです」

「経営者も政府も、経営不振や不景気を労働者のせいにしてクビにする口実にしたいだけだ。クビになるのはスキルのないお前のせいだと言って」

橋爪氏の記事はさらに続く。長いが概要を書き記したい:


「今の時代スキルを身につけたからといって職人が管理職や経営者になれるわけでもなく、目的のために消費されてしまうだけである。スキル自体に大きな価値はない。歴史的な中世のギルド(同業者団体)の維持してきたスキルは職業の存在そのものだったという点で、現代のスキルとは意味も価値も大きく異なる。

リスキリングがかまびすしく言われるようになったのは、従業員が会社をあてにできなくなり、いつ解雇されてもおかしくないと思うようになったからである。

人生、生きていると、どんなに努力しても夢を諦めなければならない事態や予期せぬ悲劇的状況、路線変更に遭遇したりする。そんな時はリスキリングでは対応できない。でも生きていくために必要な仕事を見つける。人間にはみんなそういう能力がある。企業の勤め人になるとそういう能力を忘れがちだけれど。

こんな人生のリセットのために、本を読み、言葉を通して他人の経験を学ぶことは大切である。個人の経験は限られているが、過去に似たような経験をした人は必ずいるものだから。社会がどんなに変化しても人間の考え方や行動様式は急には変わらないものである。だから言葉を通して他人の経験を学ぶことで自分の人生の可能性を広げることができる。

スキルは大事だが、それが全てではない。どういう人生を歩むかは自分で決めないといけない。例え経済的に恵まれなくても、自分の人生はその意味づけによっていくらでもリッチにできる。

いくら収入があっても自分の仕事がどう社会と関連しているかがたどれないと、人生は貧しくなる。意味ある人生を送るのはむずかしい。「社会の歯車」という言葉がある。悪い意味に使われるが、歯車は必要である。ただ全体が見えているかどうかが重要である。

そこで自分のつとめを果たしていく。不必要なものはひとつもないのであるから、」と。

心が折れそうになった時、こんな言葉に出会ったらちょっとだけ元気になれそうな気がする。生きていると自分の力だけではどうすることもできないことに遭遇する。そんな人生のリセットを迫られた時、思い出したい言葉である。

人生に意味を与えるのは自分自身なんだと。それは他者の人生と比べるものではなく、あくまで自分がどう思うかであるのだと。



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