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純文学に影響された話
純文学って難しい?
多少本を読む人なら必ず、こんな会話をすると思います。
「えー、本読むんですか?何読むんですか?」
ここで純文学です✨と答えると大抵
「なんか、難しそうですね。。」
と言われて、盛り上がらず次の話へ、、
純文学って難しそうだし、研究してる人がいるような学問の分野だし、気軽に読めなさそう。が世間一般のイメージかなと思います。
もちろん私も世間一般の人間で、文学を研究しているわけでもないし、深い思慮があるわけでもない。あくまでイチ読者ですが、そんな私の楽しみ方を共有できたらと思います。
魅了されたきっかけ
魅了されたきっかけとしては、大学の長い通学時間にスマホを触ることが苦痛になったので、読書を始めました。
それはもうハマりにハマって、3日に1冊ペースで読んでいました。
そんなペースで読んでいたら新品は買えないので、古本屋さんを物色。
おしゃれな表紙と官能的なタイトルで選んだ、谷崎潤一郎氏の「痴人の愛」がきっかけに、どんどんといろんな作品を人物色し始めました。
人生を変えた2つの出会い
そして衝撃的な出会いを2度経験しました。
1冊目は太宰治氏の「斜陽」
2冊目は三島由紀夫氏の「豊饒の海」
ここでは当時の心境と、簡単な概要、感銘を受けたところを少し紹介します。
太宰治「斜陽」
この小説に出会った時、私は大学3年生で暇を持て余しては考え事に没頭する日々で、一言で言うと病んでいる状態でした。
そこで出会ったのがこの作品です。
斜陽は、敗戦後の没落貴族の少女とその家族を中心に、少女の恋と母の死、弟の自殺、自身の妊娠という、目まぐるしい人生の変化の中で革命を決意する少女の話です。
この物語の解説は、知見を持った先人たちが研究しているので専門的は話は彼らに任せましょう。
私がここで衝撃を受けたのは
「自覚はあるが、言語化できない感情を美しく、的確に表現している」ということです。
私が当時病んでいたのは、悩みはあるけど漠然としていて、それを言葉に出来ないもどかしさ。言葉に出来ないから、正体がわからない。
そんな不安に苛まれてしました。
しかしご存じの方もいるかも知れませんが、太宰治氏は、とても精神的にも経済的にも弱い。故に人を惹きつける魅力のある人間だったのです。
そんな弱い人間だからこそ、自身の弱さに向き合って表現できたのかも知れません。
少なくとも私は、彼の繊細で的確な表現に、心を救われた1人です。
三島由紀夫「豊饒の海」
この作品は四部作になっているので、厳密には4作品ですが、全編通して私の考え方の全てをひっくり返した作品です。
豊饒の海は、三島由紀夫がの世界解釈とも言われる作品です。
輪廻転生をベースに、各部の主人公の輪廻転生の結末を、四部作通しての傍観者が見届ける。5つの人生と(各部1人ずつの主人公➕全体の傍観者)一つの時代を描いた作品です。
この作品の私なりの解釈ですが、
「世界は自分の脳みそを通してしか見ることができない」と言うことを全編通して証明しているんだと思います。
「人間の認識は、水平線に見える影のような曖昧なもの」だと表現したり、器量の悪い娘が自分を誰よりも美人と信じていたり、もちろん結末、そしてタイトル含め、それが世界の真実だと言っているんだと感じました。
おかげで、他人がどう思うかは、他人がどう思いたいか。であり、私がどう思うかは、私がどう見たいかでコントロールできるんだという、世界に対する諦めでもあり、慣れのような感情を得た作品です。
純文学の楽しみ方
と、つらつらと書きましたが、結論どんな楽しみ方をしてもいいんです。
自分の感情を言語化したい
(今より物が溢れていないので、内面世界への向き合っているのか、感情の表現が豊かです)当時がどんな生活だったのかみたい
(その当時の時代背景なども楽しめる)名作を読んでおきたい
そんな風に気軽に手に取ってみてください。文学はこちらに歩み寄ってますから、きちんと現代語訳されて、読みやすくなっています笑
あなたに素敵な出会いがありますように。
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