地球史上一番の神ゲー「ファイナルファンタジータクティクスアドバンス」について書きながら泣く

「ファイナルファンタジー」といえば、いま30代半ばの人ならば聞いたことのない人はいないだろう、と決めつける。
いわずと知れた、株式会社スクウェアが発売したゲームである。

1987年にファミリーコンピュータ用ソフトとして発売され、2017年時点で派生作品を含めて87作品が発売されており、最もゲームタイトルが多いシリーズとしてギネス世界記録に認定されている。
現在ではファイナルファンタジー14というオンライン専用ゲームが有効会員者数2000万人を突破し、世界的なブームになっている。

私はファイナルファンタジーシリーズが大好きであり、幼いころからスクウェアを神様として崇めてきた。本社が新宿にあると知った時は、その方向に足を向けて寝ないようにしていた時期もあったほどだ。
今ではファイナルファンタジー14に一番はまっており、約4000時間プレイしている。

しかし世間では、ファイナルファンタジーを知らない若年層も増えてきているという。
私はそれを嘆くつもりは毛頭ない。ゲーム業界にも世代交代は必要だ。
でも、これだけは、この1作品だけは将来に語り継いでいきたいと思っている。
それが、ファイナルファンタジータクティクスアドバンス(FFTA)なのである。

【何そのゲーム?FFタクティクスなら知ってるけど】

FFTAは、2003年に任天堂の携帯ゲーム機、ゲームボーイアドバンス専用ソフトとして発売された、ファイナルファンタジーシリーズの派生作品である。
FFタクティクスといえば、プレイステーションで発売された、ラムザ・ベオルブを筆頭にした獅子戦争と呼ばれる戦争叙事詩のほうを思い浮かべる人が多いと思う。
むしろこちらの方が有名で、筆者は「一番大好きなFFはFFTA」というたびに、困ったようなリアクションをされてきた。

しかしFFTAは、FFタクティクスと世界観を共有しており、冒険の舞台は「イヴァリース」と呼ばれる世界だ。
FFタクティクスでは、もともとイヴァリースに住んでいる住民たちが戦争に巻き込まれていくストーリーだが、FFTAでは、なんとリアルの世界からイヴァリースの世界に呼び込まれてしまう。

今、世間で勃興している「異世界もの」を17年前に取り込んでいたのだ。
この時点で、めっちゃすごい(唐突な語彙力の低下)。

【ふーん、で、どういうストーリーなの?】

主人公マーシュ・ラディウユ君は、のちに友達となるミュート、リッツが住む街へと引っ越してきた。
マーシュ、リッツ、ミュート、それにマーシュの弟は、それぞれ自分の境遇にコンプレックスを抱いている。
ミュートは、母の死亡により自暴自棄になってしまった父親に。
リッツは、生まれつき雪のように白い髪に。
マーシュは、いじめっ子のコリン達に強く出られない自分に。
そして、マーシュの弟ドネッドは、自由にならない自分の脚に。

彼ら4人は、ある日マーシュの家に集まり、子どもらしい願望を語り合う。
「ねぇ、違う世界にいって、思いっきり冒険してみたいよね」
「うーん、でも、どこの世界がいいかなぁ」
「ファイナルファンタジー。僕ならそうする」

そしてそのファイナルファンタジーについて書かれた本が、夜中突然開き、マーシュたちの住む街を異世界イヴァリースへと変貌させてしまう・・・。

【異世界イヴァリースとは何ぞや】

異世界イヴァリースは、日替わりの厳しい法律「ロウ」によって制限されているが、そのかわり「係争による死」が免除された世界。
そんな世界で、情報を集めるため、マーシュはモーグリ族のモンブランに誘われ、駆け出しの冒険者として生活することになった。

そんな中、マーシュは旧友と再会していく。
イヴァリースにおいて、旧友たちは、それぞれのコンプレックスを先天的に解消していた。

リッツは、白くない地毛を獲得していた。
ドネッドは、自分の脚で歩いていた。
ミュートの父は、ロウの管理者という、イヴァリースの実質的な王となっていた。

そのような中、マーシュは一人、世界をもとに戻そうと奮闘する。
それはいわば、弟ドネッドや友達たちに、見たくない現実を突きつけようとする行為。

マーシュより数段優れている冒険者となっていたリッツは、マーシュに対して次のような言葉を投げつける。

 あなたが世界をもとに戻そうとするなら、わたしはあなたの邪魔をするかもね!
 あなたの敵になるのよ!わかったわね!!

マーシュは悩んでしまう。人に、世界に嫌われてまで、世界をもとに戻す必要はあるのか。現実とは何か。自分にとって不都合な現実を、どう受け止めればいいのか・・・。
そしていよいよ危険な冒険者として悪評がたち、ジャッジマスターと面会する際にマーシュが出した答えとは・・・。

このようなストーリーである。
素晴らしすぎて、筆者はこれを書きながら泣いている。

そして、そのような世界を彩る音楽は、今では艦隊これくしょん ~艦これ~ のメイン作曲家として有名になった大越香里さんが作成しており、これがもう本当に素晴らしい。
もちろん崎元仁さんや植松伸夫さんも作曲しており、音楽は軒並み素晴らしいものとなっている。

ちなみに作中の重要人物として登場するレドナ・トェムは、主人公の友人ミュート・ランデルのローマ字表記を逆から読んだものである。

【世間の評価】

実はこのFFTA、世間的な評価はお世辞にも高いものとは言えない。
シナリオや音楽、世界観は本当に素晴らしいが、一部のマップが難しすぎる、一部のアビリティが強すぎる、種族によって能力値にバラつきがあり、最終的にパーティメンバーが変わり映えしなくなるなどの問題があるが、一番は前述した「ロウ」だろう。

実はこれは世界観的な設定だけでなく、実際に戦闘中、プレイヤーが守らなければならない「法律」として機能する。
法律は緩いものから厳しいものまであるが、厳しいものだと「回復禁止」「カウンター禁止」「一度に複数の敵を攻撃してはならない」などのものがある。
これらは、日替わりなので避ける方法があったり、のちに仲間になるエゼルが販売する「アンチロウ」というアイテムで無効にできるなどの方法があるが、やはりゲーム体験を窮屈にさせるものであることは否めない。

なお、無法地帯ヤクトではロウがない戦闘を楽しめるが、係争による死が免除されないため、クリア時に戦闘不能になっていたキャラクターは死亡する。
死亡してしまったキャラクターはデータ上から抹消され、2度と復元できない。
なんと、主人公の相棒としてイヴァリースでの生き方を導いてくれたモンブランさえ死亡する。

このような不便な点は確かにあるが、私はこのFFTAというタイトルが大好きである。
というのも、主人公マーシュ君が、ジャッジマスターとの面会時に叫んだ、イヴァリースという世界の真理。そして現実をどう受け止めるかというマーシュ君の答え。
17年前にこれを聞いて以来、私はずっと、彼の叫びを私の人生の指標として参考にし続けている。

その内容は・・・。


ここから先は君の目で確かめてくれ!
(昔の攻略本のような終わり方)

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