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【詩】パノラマ
いつか吐いてしまった弱音
ポツリ ポツリ と出てくる言葉
一刻も早く五線譜に投げ捨てるべきだと 分かっていたけど
今 こうして腕一本分隣にいる君に
作り笑い浮かべて 話してる
平気な素振り
ハンカチで拭わなかった目頭
あと少し
もう少しで見れたかもしれなかった夕景と
杏色に照らされた君の頬
何も言わず握られた右手を
どの程度の力加減で握り返せばいいのか 分からなかったけど
今 こうして優しさで包み込んでくれる君に
知られたくなかった 私の儚さを 明け渡して
ようやく 覆い重なる 影を脱ぎ捨てることが できた
平気そうな振る舞い
頬を伝わせた一粒の涙
あと少し
もう少しで見れたかもしれなかった夜の狭間と
星屑に囲まれた私たちだけの秘密