見出し画像

【詩】初雪

凍えそうな冷気が身体を包む
マフラーにうずめた頬は赤らんで
ポケットに入れた手は震えていて

チラチラと視界に入ってくる純白
そっと空を仰ぎ 
ほぅと息を吐き
今にも消えそうな儚い初雪の欠片

凍えそうな冷気が心に侵食する
辿った足跡は何だか頼りなさげで
呟いた独り言は宙に溶けていって

しんしんと静かに積もりゆく純白
ゆっくり目を開けて
ガタガタ肩を震わせ
伸ばした指で摘まんだ初雪の一片

何もかもがこの純白に覆われれば良いのに


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集