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【詩】ソーダフロート

ラピスラズリの宵空を詰め込んだ液体
底から コポコポと湧き上がる炭酸
まるで 掴みどころのない抽象画みたい

UFOを彷彿とさせる溶けかけのバニラアイス
一口分掬う毎に 崩れていく見事なフォルム
なんだか 一音一音が放たれては捲られる楽譜みたい

最後に残ってしまった チェリーの真っ赤
皮を剝けども剝けども 変わらないおんなじ色味
まるで セレブの付ける口紅で塗りたくられたみたい

カウベルの鳴った回数を数え
午後の日差しが差し込む角度を想像している

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