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【詩】ガム

嚙み潰したガムの味 
今でも覚えてる

無機質と凡庸とが絡み合い 二重にコーティングしたような
殺風景な部屋の白壁が 延々と続くような

何の変哲もない
無味乾燥だった

噛み続けたガムの味
今も思い出せる

結末が分かり切ったミステリ小説を 繰り返し読むような
無意識下でいつかの日記を ひたすらに書き写すような

面白味も何もない
ただのありきたり

それなのに
過去にしがみつくが如く ガムを咀嚼し反芻思考している
青天を仰ぎながら


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