【詩】常設展示場
黄金色の額縁に飾られた訳の分からない抽象画
不均一な丸や三角、四角い記号が淡いパステルカラーで描かれていた
天井からは垂れ下がったサテン布
その中にでっかい水晶玉が銀河系を閉じ込めている
目を凝らしてみてはじめて それが星をかたどったレジン液だと分かった
常識の枠組みの中では
美術館内にクラシックのBGMなんて存在しない はずだった
一歩足を踏み入れた ここでは「常識」そのものが皆無
落穂拾いをしている女性たちの腰の角度は さぞかし、しんどかったろうな
どうして全てのひまわりは真っすぐ伸びた状態で 生けられなかったのかな
そんな可愛げのない疑問が 脳裏をかすめた
ショーケースに収められた数々の作品たち
透明な硝子越しに 私もその一部になりたい と不覚にも望んでしまった