【論文&レポート】 3年次の日本の民俗学期末レポート
今回は3年次に作成した日本の民俗学という科目のレポートを掲載する。この講義は留学生と日本人学生が合同で受講する形式だった。講義後半では、講義に関する視聴覚教材(DVD)を観た後にディスカッションする、という回も設けられており、面白かった。話し合う言語は英語または日本語のどちらかを選ぶことができ、私は圧倒的少数だった英語ver.グループにて討論をした。予想通り、あまり自身の伝えたいことはきちんと伝えられなかった。だが、留学生たちとの交流もできて、良い経験になった。
最終レポートの設題
A:この授業で関心を抱いたテーマを、授業の内容に沿ってまとめなさい。
テーマ:古代人における「時間」について。
1.「古代」の定義について
「古代」の定義は日本史的な考えと民俗学的考えの間に違いが見られる。
●日本史における「古代」の定義:およそ飛鳥時代(6世紀頃)か平安中期(11世紀後半)、あるいは、鎌倉幕府の成立(12世紀後半)までと見なされている。だいたいの日本の時代区分は、原始→古代→中世→近世→近現代 となる。
●民俗学における「古代」の定義:歴史的な時代区分のひとつというより、歴史を通して日本の常民の基底に流れ続けた無意識という理解をしている。
2.古代における生活・時間の捉え方
古代の人々がどのように暮らしを営んでいたかをイメージすることが、古代における「時間」を理解するカギとなる。現代と異なり、古代を生きる人々は狭い移動範囲において多くのことを観察していたと考えられる。更に、彼らの活動時間は太陽が昇ってから沈むまでの間である。太陽の動きを私たちよりもしっかりと観察していただろう。この「観察」には、当然太陽の登る位置や沈む位置が一定の範囲内にあることや規則的に変化することも捉えていたはずだ。
3.古代の自然歴
暦は中国から朝鮮半島を渡って日本に伝来した。その時代は6世紀であり、8世紀初頭には厳密な暦法により「日本書紀」に記述されている。文字暦が浸透する前は自然暦が用いられた。文字暦は主に文字を使って書かれた和暦のこと。対して自然歴は、周囲の自然から得られる情報で季節の変化を知るものである。具体例としては、山に残った雪の形を見て種まきの時期を見定めるといったことが挙げられる。
B: まとめた内容について、自由に論じなさい。
【考えたこと・まとめ】
古代を生きる人々には、現代の様に正確な時間を認識するための時計やカレンダーはなかった。しかし、そんな時代でも五感を働かせ、自然と密接な暮らしを営んでいた彼らは「時間」を規則的に変化するものとして捉えていたように思う。季節ごとの農耕(種まきや収穫など)のサイクル、空の星の動きや渡り鳥の去来、群生する草花、木の実の変化を頼りに「時間」というものを意識していたことが分かった。また、何故「時間は規則的に変化するもの」として捉えていたかについては、現代と異なり、自然界の動きには一定のサイクルがあったから。ここから、彼らの生活の営みと時間は深い関係があることが学べた。
ただ、一つ疑問に思ったことがある。それは、一口に「古代」と言っても地域や国によってその時間に対する感覚や意識というのも異なっていたのではないか、という疑問だ。アフリカ、ユーラシア、オーストラリア、北アメリカ、南アメリカの各大陸では文化や気候が異なる。その地域ごとの宗教的・民族的行事、一日の生活に内容も十人十色だろう。食物を育て、収穫するという行為は共通して行われていたと思うが、そのような地域色や国の独自性が表れる文化と時間がどのように関係していたのかを調べてみたいと思った。
字数:1260字
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