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【詩】ジャスミンティー

冷めきったジャスミンティー
苦みと甘さを半分ずつ含んだ まろやかな味
芳醇な香りも 溶けてしまいそうな黄金色も
忘れかけていた 感情を解放していく

空っぽな胸中が 満たされていく
渇きという渇きが 満たされていく
心の中の虚無が 満たされていく

テーブルに置かれた ティーカップ
あなたのためにと
わたしのためにと
霞んでいた 描かれた薔薇の花

冷めきったジャスミンティー
口元に残された恍惚感は どこへやろう

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