しあわせバター
朝8:00目覚ましが鳴る。
朝が弱いので、毎日2台のスマホが同時に最大音量で鳴るように設定されている。聞き慣れた曲のイントロが大音量でけたたましく流れる。
憂鬱な気分で2つのアラームを止める。
はあ、また朝が来てしまった。
また憂鬱な1日がはじまる。気が重い。
とりあえずスヌーズを信じて布団に戻る。
ん?ちょっと待てよ?
今日は土曜日ではなかったか?
しかも、なにも予定もない。
さらにはめちゃくちゃ天気も良い。
時間に縛られず、好きにのんびりできる。
今日は、そんな休日ではないか?!
これに気づいた瞬間の幸せたるや。
まだ寝ててもいいんだ...
今日は働かなくていいんだ...
なににも縛られていないんだ...
ハッ!と「しあわせ」な気づきを得てから
私の心に温かい感覚がじわぁっと広がっていく。心地よい瞬間。
「しあわせ」がバターのようにじんわり染み込んで、ホカホカのトーストのような布団がすべてを包み込んでくれる。
ああなんてしあわせなんだ。
あとちょっと寝たら、バターをたくさん乗せたトーストを焼くんだ。
窓辺で日の光を眺めながら、暖かい飲み物を飲んで、部屋着のまま近くの公園に散歩に行くんだ。
カメラも持っていこう。
読みかけの本も読もう。
先週みた映画の感想も書こう。
帰りにケーキを買って帰って、家族で食べよう。
「しあわせ」って結局こういう瞬間にある。
じんわりバターのように広がるしあわせこそ、私が守り続けたいものなのかもしれない。
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