レコードがある生活22
6時半起床。雨戸をあけたら、朝陽が強烈に差し込んでくる。今日が、はじまった。ヒーターをつける。レコードは、沖縄民謡。最近息子がブームの『島唄』をまいにち熱唱している。独特のリズムで。きくと「なつかしい」というのだ、沖縄へ行ったこともなければ我が家に沖縄的な文化はなにもない。それでもなつかしい、というのは、そういうことなのだろう。みんな沖縄というと美しい海とか、表面的なものをイメージするけど、個人的にはもっと内にある強いものを感じるので、簡単に沖縄いきたい、とは思えない。
でも沖縄の三線のおとと、うた、おどり、はだいすきだ。ああいう情景をみると、ただ楽しいだけじゃないその裏側のことをひっくるめて、笑って生きる、ということなのだと感じずにはいられない。『サルサ!』という映画の中で、いつも明るく冗談ばっかり言ってるキューバ人のフェリペに、主人公は「いつも陽気だね」と言うと、フェリペは一瞬真顔になり「悲しみは笑いで隠せ」と、捨て台詞を言って出ていくシーンを思い出す。光と影は対なのだ。哀しいうたを楽しくうたうから、いい。『阿里屋ユンタ』の歌詞みたらやっぱりそうだ。でも哀しい、が人にわかるより、わからない方が粋だなあ。近所にMさんというおばあちゃんがいる、彼女は会うといつも太陽のような明るさで笑い飛ばしている。あの笑顔はいろいろなことを乗り越えてきた明るさだ。洗面所で、髪のセットを入念にしている息子、だけどシャツがトレーナーからはみ出てたり、靴下をズボンの裾まで入れ込んでたり、ちぐはぐ。なんでもかわいいよ。今日も元気にいってらっしゃい。
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