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日本で「その日暮らし」ができる幸せ

「「その日暮らし」の人類学」という本を読みました。

著者は文化人類学者の小川さやかさんです。アフリカ地域が専門で、本書はアフリカ・タンザニアの零細商人の生き方をとらえています。

本書の概要

本書はタンザニアの零細商人の働き方、生活ぶり、生き方を人類学の観点から取り上げています。そこから派生して日本のような先進国に住む人の働き方、生き方を対比しています。(私はそのように読みました)

タンザニアの零細商人の生き方を知ることができて興味深かったです。

読後に考えたこと

タンザニアの商人はその日暮らしがしたくてしているのかな。つまり、積極的な選択としてその日暮らしを選んだのか、ということです。

先進国のように計画性や効率性を求められる社会では、いまと将来を天秤にかけて、いまから将来にわたっての利得の最大化を図ることになります。社会や集団の例では、中長期的な漁獲量を最大化するために今年の漁獲量を制限するとか。個人の例では、老後のためにいまの消費を少し抑えて貯蓄するとかですね。

一方、その日暮らしは、中長期的うんぬんではなく、今日のお腹を満たすために今日、魚を取る生活です。将来は分からないのだからいまを生きる。宵越しの銭は持たない、というライフスタイルとも言えます。

比較の難しさ

タンザニアは社会や経済がそれほど安定しておらず、中長期的な計画が立てにくい社会なのでは。とすると、タンザニアの人は、その日暮らしを「せざるを得ない」状況なのではないかな。

日本のような先進国で生きていくために適応したのが「中長期的な計画を立てる生き方」であり、タンザニアのような社会に適応したのが「その日暮らし」ということかなと。

日本でその日暮らし

私はいま無職です。将来のことはあまり考えてません。具体的な計画はないけど生きていけるだろうと高をくくってます。

経済的な安定という点では早めに再就職したほうがいいことは感じていますが、どうも私はその気力が足りていないようです。まだ尻に火が付いていない感じです。

日本でその日暮らしを続けられるなら、いまのところそれが一番。

たぶん生きていけるでしょう。贅沢を望まなければ。

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