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暮らしマルシェ vol.1

コロナの暴れん坊ぶりの影響で、みなさん自宅にいる時間が増えたと思います。

私はもともと家が大好きで、出ずにすむならばずっと自宅にいたい派なので、さほど苦にはなりませんが、仕事で毎日外に出ていた人にとっては、いきなり振られたこの自由時間をどう過ごしたらいいものか、と困惑されていることでしょう。

幸い、外に出なくてもよくなったので(自分の時間配分で諸々済ませられるので)これから”暮らしマルシェ”として、暮らしのいろいろな情報を発信してみようと思います。

#暮らしマルシェは昔逗子のシネマアミーゴを使って催していた 、小さな小さなイベントの名称

AMIGO KITCHENの活動

これまで、AMIGO KITCHENとして逗子、葉山を中心に食べ物のこと・生産者さんのこと・季節の食卓を彩る様々な情報を、イベント出店やお食事会というかたちで表現してきました。
現在AMIGO KITCHENのメンバーは、料理担当の私と、スイーツ系担当の志津野の二人。時に様々な分野で活躍する人たちがここに加わって、その時々のプロジェクトが成立していきます。


“仕事”になったらやらない!…これは志津野の口癖。

そして、これが意味することは、きっと

面白そうだから乗った!

大好きな〇〇さんのためにひと肌脱ごう!

という、一風変わった仕事選びに尽きるのかもしれません。

仕事=労働=苦労の対価=お金のために我慢してやる事 という社会の価値観で選ぶより、ノリよく始める事は、自然とクオリティも安定して、たとえ時給換算したらとんでもなくコスパが悪かろうと、充実感こそあれ、徒労感はないから。

年に1回ていど受けていたウエディングもしかり。

新郎新婦の子供時代の想い出や、家族の物語、ふたりで初めて食べたもの、など、“食”と結びつくあらゆるエピソードを聞き込み、時に『こんな質問をしてどうするの?』と聞かれるほどの不思議な目いっぱいの質問事項から出来上がるものは、通常のようなウエディングのコース料理ではなく、また同じ構成もない。

その会だけの、特別メニュー。

二人が子供のころからの想い出を順番にたどった、家族だけが知るメニューだったり

建築家のための、想い出の建築がウエディングケーキになったり

自然農を始めようと決意したふたりには、打合せの日に種蒔きした二十日大根を前菜に出したり

ふたりの旅の想い出のローカルドリンクをウエルカムドリンクで再現してみたり

両家のお母さまの大事な家庭料理を、一皿に盛り合わせて紹介したり

内容によってはそのための食器も買い足す、ある意味オートクチュールウエディング。

こんな会をまたやりたい、ウエディングはもうないから、いつか何かの記念日に、ぜひまたお願いしたい!…と言っていただけるのがうれしくて、利益度外視でドタバタ裏方劇場を繰り返すのが、ほんとうに楽しくて、本当にやりがいがあった。

きっと、今回のコロナ以降、以前の様に大人数を集めてのウエディングはなくなっていくのでしょう。

もそも私たちが手掛けるものが最大でも50名まで。本音を言えば、25名前後が理想的。と、大量生産向きではなかったのですが。



世の中が変わるたびに思う事


私は何のために料理をしているのだろう


と、3.11の後も深く考えさせられ、その後も事あるごとに自分に問いかけてきました。

“売る”ための料理はしたくない。

こころの中にいつも浮かぶ言葉はこれ。

そして、すてきなウエディングを作らせていただいて思ったこと。

わたしが料理を選んでいるのは、生産者の方々の物語を語り継ぎながらも、きっと誰かの特別な想い出の作り手になりたかった。

それは日常の一皿でもかまわない。
その人の物語の一部になるような一皿。
そのためには、料理の品目だけでなく、素材にも物語があって、出し方のタイミングや演出も重要で、その場のすべての人が、また体験したい!と思うような、愛のこもった食事の時間であることが不可欠。

ある人(生産者)の物語を新しく出会った人(受け手)の物語に絡め合わせる。まるでDNAの2重構造のらせんのように。

そこからまた新しい物語が紡がれていく。


”暮らす”たのしみ


私は、いわゆる“料理人”ではありません。
料理の世界で下積みを積んだり、厳しい厨房での修行もしていない。

恵まれたことに、祖母も両親も料理が好きで、自分で料理ができる年ごろには、好きな物語に出てくる料理を再現したりもしていました。その後飲食店を営む嫁ぎ先でも、料理上手の義母からたくさん手際のよい料理を学び、実践を積みながら私の料理への道は開かれました。

医者でありながら料理をこよなく愛するオーナーの店では、素材の大切さと引き算の料理とワインの勉強と経営学を。

その後働いたオーナーシェフのお店では、丁寧な仕込みと、絶妙な火加減が作り上げる料理の化学を。

柔和で愛妻家のカフェの料理長からは、スパイス使いで変わる絶妙な家庭料理を。

そして、もともと野菜好きではあったけれど、やはり無農薬の野菜を丁寧に作っておられる生産者の方との出会いはとても大きくて、生命力あふれる野菜は、私に料理の転換期を与えてくれました。

素材がちゃんと自分の味を主張してくれると、余分な調味料は必要なくて、良質の塩と油、そして香りたかい良いスパイスがあれば、たいていご馳走が出来上がる事実。
ただただ丁寧にグリルしただけの数種類の野菜は、別々の調理をしたかのようにそれぞれが味わい深い。
焼きたてのパンと作りたてのホイップバターと簡単な豆料理を添えれば、見た目もボリュームも大満足なご馳走ランチの出来上がり。
ナッツを混ぜ込んだ雑穀米と一緒に、スープをつければディナーにも。

ということで、これからは、こんな料理の数々を、おすすめの食材や調理器具の紹介も兼ねてお伝えしていけたらいいなと思っています。

時に、女子(おばさん)でもできるDIYの体験談なんかも交えて。

“暮らし”は、もちろんお金をたくさんかけて素敵にすることもできるけれど、お金をたくさんかけたら素敵になる、というものでもありません。
高級食材を使ったら必ず美味しいご馳走ができあがるわけではないし
高い家具や食器を買えば暮らしが素敵になるわけではない。
使い方や
想いや
そこには工夫が大切と思っています。


緊急事態宣言も延長されるようですから、更に自宅での楽しみ方は重要になりますね。

家にこもることが苦痛にならないように

どうぞ、自分が気持ちよく暮らせるためのヒントを、何かしら受け取っていただけたらと。

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