うわさ
演技のお稽古では、”うわさ” というテーマで表現をした。
はじめはひとつだったものが、離れていき、”うわさ” となる。
無機質にうごめく ”うわさ”
話しかけようとしても、説明しようとしても、どうしたって掴めない “うわさ”
どんどん増殖する “うわさ”
実態のわからない “うわさ”
混乱し、不安と行き場のない感情が押し寄せる。
“うわさ” となった人たちは、ひとつだった頃は、あんなにも感じていた、相手の鼓動やぬくもりを忘れ、冷徹で、無関心でいられることの狂気性を知る。
そしてまたひとつになった時の安堵や深い悲しみを知る。
表現を通じて、人間のもつ、怖れも、悲しみも、優しさも、狂気も、恐ろしさも。
表現のなかで、その振動を感じて、経験する。
稽古場の、安心、安全の場で。
傷つくことも、傷つけることも恐れないで。
経験し、感情のバイブレーションを、受け取って、ただ感じていく。
2022年5月24日
(文責:キャストゆうき)
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