ぐらしあすの「精神科デイケアと診療報酬」
デイケアと聞くと、一般的に老人の施設で人々がゆっくりとしながら、入浴したり食事をしたりレクリエーションをしているというイメージがあると思う。
精神科デイケアやデイナイトケアとは「精神科リハビリテーション」という位置づけにある。整形外科のリハビリだと、例えば骨折した人が以前のように歩けるようになるために訓練する場で、よくなっていくのが目に見えてわかる。
一方、精神科リハビリテーションにおいては、その効果(よくなる)がなかなか見えない。デイケアに通所してそれのみでいきなり就労ができるようになったりという例はまず聞いたことがない。大きな目的は、人間関係対人関係において、利用する障害者それぞれが、失敗、成功を繰り返しながら自分の中で幅を体得していくということなのかもしれない。
これはかなり難しい。効果がなかなか見えないからである。かなり、専門知識を持ちながらも柔軟かつ俯瞰的な視点を持ち、またミクロな視点にも着目出来て、かつブレにくく、常に対等目線で日々を一緒に紡いでいけるような従事者がいるのであれば、もう言うことはないと思う。
理想ばかり言ってても仕方がないが。
デイケアを利用するには、条件があって、通院している人(他院でも可【デイケアの病院は嫌がるけど】)、主治医の指示があることが大前提。
デイケアにも診療報酬がある。
ここからが問題。ぐらしあすが知る某精神科病院では、通院している患者にデイケアを勧めることが多い。また、病院が運営しているグループホームに住む患者にも同様。
大変失礼な言い方だが、ある意味数集め的要素が多い。1人報酬単価点数があり、小規模と大規模デイケア(従事している有資格者の人員配置が必要)では異なるも、それこそ、そこそこの診療報酬が入る。小規模デイケアでも、1日に1人当たりの単価、すくなくともまあまあいいじゃんという駅弁が6人分か7人分は買えるほど。
一般的にデイケアでは、日によって異なるプログラムなるものがある。例えば、書道、ビデオ鑑賞、おやつを作る、ビーズ細工を作る、絵画、散歩、小旅行、クリスマス会、初もうで、SST(ソーシャルスキルズトレーニング)または、プログラムに参加せずにゆっくりとしていても良い。
このようなプラグラムに積極的に参加し、こころから楽しんでいる患者さんをほとんど見たことがない。
デイケア、デイナイトケアは精神障害者にとってとても大切な場所であることには間違いない。
しかし、このことは過去の記事にも何度か同様なことを書いているけど、そのプログラムは誰がきめたんですか?ってこと。職員主導になっていませんか?職員と患者さんが一緒に楽しんでますか?時には親身に話を聴いてますか?
病院も当然経営の問題があるのもわかる。ただ、対象は患者さんである。
プログラムは「ゼロからスタート」でいいんです。職員と患者さんが一緒に作っていけばいいんです。つまらなくて集まらないプログラムなんて終了して、またみんなで考えればいいんです。
ぐらしあすは、デイケア、デイナイトケアはそうあってほしいと強く思う。
そうであれば、おのずと患者さんは集まってくるだろう。
上記のような病院は多いと思うけど、患者さんが楽しくて、職員も丁寧で素晴らしい病院やクリニックがあることも同時に知っている。
ディプレッションまっさかり。ぐらしあすの「こころの声」を中心に、自分が体験したことや、時折感じる何のエビデンスもない、主観の記事も徒然に書いていきたいとおもいます。よろしくおねがいします。