20歳の自分に受けさせたい文章講義/古賀史健
▫️あらすじ
どうすれば自分の気持ちや考えを「文章だけ」で伝えることができるのか?この授業のスタート地点はそこにある。そう、僕らは「話せるのに書けない!」のだ。人に口で伝えることはできても、それを頭の中で文章に変換しようとすると、とたんに固まってしまう。メールの一通すら、うまく書けない。「話すこと」と「書くこと」はまったくの別の行為なのだ。決して「同じ日本語じゃないか」などと思ってはいけない。この授業では、現役のライターである僕が、現場で15年かけて蓄積した「話し言葉から書き言葉へ」のノウハウと哲学を、余すところなく伝えていく。学校では誰も教えてくれなかった“書く技術”の授業をいま、始めよう!
▫️感想
ミュージシャン兼作家であるクリープハイプの尾崎世界観がとあるYouTubeの番組で「人生を変えた本」として紹介していた一冊。堅苦しい“文章論”は一切書かれておらず、とにかく読みやすい。これまで新書には苦手意識があったが、専門的な知識や難しい用語は一切登場せず、新しい知識は勿論、これまで無意識に行なっていた文章技術が改めて言語化されており「自分がしていたことは間違えではなかったのだな」という発見があった。何度も読み返したい、「いい文章」の概念を一変させる良書。
▫️心に残った一行
P76 「われわれは“感情”を伝えたいからこそ、論理を使うのだ。“主観”を語るからこそ、客観を保つのだ。」
P87 「〜句読点は「文字間=縦」の圧迫感を解消するのに有効だった。それに対して改行には、「行間=横」の圧迫感を解消する役割がある。
P91 「白い(画数の少ない)ひらがなのなかに、黒い(画数の多い)漢字がある。それでこそ、黒が引き立つのである。文章において引き立たせるべきは、明らかに漢字だ。」
P164 「「あのときの自分」の椅子に座ることは、昔を懐かしむことでも、独りよがりになることでもない。いまを生きている「見知らぬ誰か」の椅子に座る、いちばん確実な方法なのである。
P215 「ぼくは「目からウロコが落ちる」要素は、全体の3割で十分だと思っている。逆に言うと、残り7割は「すでにわかっていること」でいいし、そうであるべきだと思っている。
▫️こんな人におすすめ
・文章を書くのが苦手な方
・文章のプロから文章講義を受けたい方
・「いい文章」を書きたい方