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唯一無二のおもてなしを実現するために〜今すぐ出来る3つのステップ ②あめつちメルマガ【vol.06】

こんにちは。

前回のメルマガでは、唯一無二のおもてなしを実現するステップに向かう前段で陥りがちな盲点、ボトルネックについて、よくある3つの課題についてご紹介いたしました。

というのも、いざ「顧客視点に基づいたサービスを設計しよう」と思っても、ボトルネックがクリアにならないと根本的解決にならないばかりか、せっかくの良いアイデアが出てもうまく生かせずに、一過性のものになってしまう可能性があるからです。

貴宿にとって、ベストなおもてなしのカタチを描くためにも、まずは潜在的な課題と向き合い、可視化するところから始めていただけたらと思います。

それではいよいよ、ここからがスタートライン!

他の宿にはない、貴宿ならではの特別な体験やサービスを設計、再構築するための3ステップをご紹介いたします。


早速、最初のステップから見ていきましょう。

①   理解


まず最初のステップは、改めて「顧客視点に立つ」という原点に立ち返った上で、館内でのお客様の行動と、それらの行動に伴う感情を観察して、お客様を深く理解するというステップです。

ここで宿泊施設にとって、他のサービス業と比較しても圧倒的な強みとなるのが、「お客様をとことん観察できる環境にあること」

お客様が最長で19時間滞在される宿泊施設は、「衣食住」、人が生活する上で必要な要素をすべて兼ね備えた場であるばかりでなく、非日常を演出する特別なスペースでもあるため、お客様を観察し、理解を深める機会が至るところに溢れています。

フロントでのチェックインの際にスタッフはお客様とどんな会話を交わしたか、その時にお客様はどんな反応をされたのか。また、館内ではどのように移動され(動線)、どんなご要望をされ、その後、どんな行動をされたのか、またどのように過ごされたのか、どんなポイントを快適に感じられているのか etc…。

お客様の行動、表情やしぐさ、声のトーンから醸し出される心の機微に至るまで、どこまでもお客様視点に立って目を凝らし、耳を澄ませながら、その一つ一つをつぶさに観察してみてください。

(※ただし、お客様には心地よく滞在していただくことが最優先ですので、観察する際には、あくまでも「さりげなく」がポイントだと思います^^)

もちろんそれは、良いこともそうでないことも含め、先入観なく「ありのままの状態」を丸ごと受け止めることが大切です。

この大事なファーストステップで提供しているサービスの現状とお客様への理解が深まるとともに、現時点での課題が明確になり、次のステップにもスムーズに進むことができるでしょう。


② 価値の明確化


お客様が貴宿に求めること、あるいは、ややご不満に感じていることなども含めてありのままの姿が見えてきたら、続いて、貴宿ならではの魅力や価値を経営理念やミッションにいま一度深く立ち返って、明確化するステップに進みます。

たとえば、歴史ある老舗旅館であれば、初代がどのような思いをもって設立されたのか、その思いが脈々と受け継がれておもてなしに表現されている部分は何であるのか?

他にも例えば、

「新鮮な魚介が水揚げされるこの地で、どこよりも新鮮で美味い海産物をお客様にお腹いっぱいに食べてもらいたい」

という想いで創業されたのなら、今現在もその想いがお料理や、おもてなしを通してお客様にそれを感じていただけているかを、今一度見直すことが重要になります。

このステップでは、他にはない提供価値(バリュー)を、ぜひ再認識してみていただきたいと思います。

また、このステップで貴宿のコアな価値に向き合い、解像度が上がるほどに、やるべきことに焦点が当たるばかりでなく、敢えて「やらないこと」、今後は必要ないサービスなども明確になってくると思います。

そこで見えてきたものが、貴宿の真の提供価値となるはずです。

③ 設計

最後、3つ目のステップは、顧客と現場を観察することで得られた情報と経営理念に立ち返ることで見えてきた結果を踏まえて、いよいよサービスを再設計をしていくというステップです。
 
1つ目のステップで今の現場の状況、ありのままの姿を知り、自宿とお客様を深く理解した上で、2つ目のステップで貴宿のコアな価値を明確化することができれば、この3つ目のステップでそれらを組み合わせた最適なサービスを設計することが可能になります。
 
これはいわゆる、「カスタマージャーニー」と呼ばれる顧客体験の設計にも通じる部分です。

1、2のステップを経ることで解像度が上がるため、どのような顧客体験をデザインすればよいのか?ということが、以前よりもずっとクリアに見えてくるでしょう。
 
ただし、このステップはサービス提供者側の「こうありたい」という理想像や、こうであったらベストという最高の状態が入ってきたり、組織内での同調バイアスが掛かってしまうといったこともありますので、場合によっては実現性の低い設計になってしまうというリスクがあります。

もちろん、「こうありたい」という理想の姿をイメージすることも大事ですが、②のステップで再認識したコアな価値を羅針盤に、いつまでにどのようになっていたいのか(TO BE)、具体的な時間軸とあるべき状態を明確にした上でそこから逆引き(バックキャスト)して『今』すべきこと、優先課題を明確にすることに注力していただければと思います。
 
 
「真の顧客理解」は、唯一無二のおもてなしを実現する上で、それほど重要な要素になってきます。

 
いかがでしたでしょうか。
 
次回は、今回の内容を踏まえて、カスタマージャーニーマップ作成のポイントについてお伝えできればと思います。



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