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雑文「物事には限度がある」

 物事には限度がある。良いことでも、その程度が過ぎると悪い影響が出るものだ。

 例えば、ヒーローは強い方がいい。初代仮面ライダーは変身してからはもちろん、人間の姿のままでも下っ端の戦闘員であれば倒せるほど強かったらしい。
 これはもちろん良いことなのだが、もし彼が変身せずとも敵のボスを倒せるほど強かったらどうだろうか。

「ふははは、来たか仮面ライダー! 貴様はここで死ぬのだ! 覚悟し…え、痛っ! 痛いって! 素手で殴るな、素手で! 変身しろよ! 無言で殴るな! 苦しい、首絞めるとかやめて!」

 地味な上に教育上もあまりよろしくない。番組タイトルは「仮面ライダー」ではなく、「怪人狩り本郷」とか、そんなのになってしまう。

 漫画作品においても同じようなことが言える。絵は上手ければ上手いほど良いかというと、そうでもないのだ。

 例えば「アンパンマン」の絵をみてほしい。決してめちゃくちゃ上手いとは思わないのではないか。頑張れば描けそうな気さえしてくる。
 だが、これはこれがベストなのだ。味があるし、何よりアンパンマンがとてもリアルな絵で描かれていても嫌だろう。

「僕の顔を食べなよ…」

 もはや、ホラーである。
 ジャムおじさんがアンパンマンの顔を焼いているシーンなどモザイクがかかる。

 このような例からも、物事には限度があるということが分かってもらえただろうか。

 ああ、そうそう。この文章が面白くなくても文句は言わないで欲しい。
 面白すぎて悪い影響が出ても困るでしょう?

(了)

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あめしき@02文庫
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