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ブカレスト留学 Week19-混沌とにぎわいの市場Obor

 この市場を訪れなければブカレストの8割を知らないと言っても過言ではない、ブカレスト市民御用達の万能マーケットであるOborを紹介します!

 先日何気なく日本人の友だちとの会話で話題に出したところ「行ったことがない」というので慌てて連れて行ったのですが、このブログでもちょろっと話題に出す程度できちんと紹介したことがなかったことに気がつきました。どうぞ市場の混沌とにぎわいをお楽しみください。


ファッショナブルなBucur Obor

 最寄駅であるObor駅を出てまず出会うのは屋外の小規模なマーケットです。本やぬいぐるみなどが売られています。Bucurとは喜びという意味だそうです。

屋外のテント

 まっすぐ進み、右手にある集合住宅のような建物がBucur Oborです。なんとも不思議な構造ですが意を決して回転扉を抜けた先には…

Bucur Oborの外観(まさかここがショッピングモールだとは思わない)

 様々なお店が立ち並んでいます。洋服、靴、バッグ、金・銀・宝石類から、シャワーヘッドやお風呂の栓などホームセンターで売られているようなDIY用品、布や糸など手芸用品、たくさんのお店が迷路のように入り組んでいます。

回廊
終わらない回廊
手芸屋さん

 ブカレストの中心部のお店よりも格段に安く買い物ができ、ルーマニアの伝統衣装など素敵なお土産を買うこともできます。ファッショナブルでお手頃な値段の古着屋さんには吸い寄せられてしまいます。

ルーマニアの伝統衣装

混沌のPiața Oborの屋外

 Bucur Oborの迷路のような回廊を誘惑に耐えながらまっすぐ反対側の出口を抜けると、Piața Oborがあります。Piațaは市場を指します。

Piața Oborの全体像

 右奥と左奥の建物、そしてその周りに広がる一帯がPiața Oborです。まずは外のマーケットから見てみましょう。

屋外のテント
ご飯屋さん

 買い物に疲れたときにも立ち寄れるパン屋さんや、ルーマニア料理をテイクアウトできるお店などが並ぶ入り口近辺を抜けると、新鮮な野菜や果物の量り売りのテントが並んでいます。現金を持っていれば、ルーマニア語の数さえわかれば、ぼったくられないように気をつければ、一般的なスーパーで購入するよりも質がよく安い野菜と果物が手に入ります。私も重宝しています。

歩きながらどこが安いか見極める
スリに会わないように注意

 野菜が売られているかと思えば、その隣で婦人用下着や靴が売られている混沌の世界です。

なんでもアリ

 ルーマニアは、下の写真のような、スプーンやまな板、サラミやチーズが並べられそうなトレーなど、木製の工芸品が有名のようです。

料理用

Piața Obor第一の建物

 屋外のテントを抜けて、冒頭のPiata Oborの写真の右奥の建物に入ってみましょう。

圧倒される雰囲気

 これまた東欧の空気感、共産主義時代の名残を感じさせる混沌の空間です。私はここのマーケットの雰囲気がたまらなく好きです。ブダペストやソフィアで訪れたマーケットは、建物がおしゃれに整備された観光客向けの雰囲気を感じたのですが、ここでは買い物をする地元民に紛れ込んでよりリアルな現地体験をしているようでワクワクが止まりません。

なんでも量り売り

 スパイス、ナッツ、お菓子、豆類、穀物類、なんでも量り売りされています。

シナモン100g

 私はシナモンを愛してやまないので、スーパーの半額以下で買えるここの量り売りで調達します。スパイスを買う際には、剥き出しで展示されているスパイスの山からではなく、密閉されたタッパーから取り出したものを用意してくれます。

お菓子の量り売り

 クッキーやビスケットが剥き出しの状態で量り売りされている光景には驚きますが、ワクワクするビジュアルです。このように販売されているお菓子を購入したことはないのですが、いつからここに並べられているのだろうと埃や鮮度が心配になってしまうので、こちらも購入の際にはタッパーから新しいものを渡してくれると信じています。

2階からの風景

 非常に大きなマーケットなので、ここで買えないものはなさそうです。

包装されたお菓子もスーパーより安い

 もう少し奥に進むと、ピクルスやチーズ、肉、魚が販売されているゾーンに入ります。魚はまだ水の中で生きていたり、ナマズのような巨大な魚がドンっとそのまま丸ごと置かれていたり、まさに魚市場です。

氷の上に並べられた魚

以下2枚、魚の丸ごと写真が写るのでご注意ください。

ナマズ?

 ちなみに下の写真の魚はCALCANと表記されていて見た目も名前も日本のカレイに似ているなぁと思ったので調べてみたところ、英語でTurbot、日本語でイシビラメという日本近海では獲れない魚で、時と場合によってヒラメと訳されたりカレイと訳されたりする紛らわしい魚らしいです。右カレイに左ヒラメは万能ではないのですね。

CALCAN

 私の最も好きなルーマニア料理は、見た目からは想像できない酸味と濃厚さが掛け合わされた意外すぎるクセになる味のCiorbă de burtăというブタの腸のスープなのですが、その料理からもわかるように、共産主義時代の食糧難を乗り越えたルーマニア料理は肉を余すことなく食します。Şoriciと呼ばれるブタの皮は大人気おつまみの1つです。
 マーケットでも、売られていない部位はないのではないかと思うほど、皮はもちろん、腸や肝臓、舌、脳まで原型を留めた形で売られています。下の2枚の写真、遠景に牛がぶら下がっていたり、部位がそれとわかる形で写っているので閲覧ご注意ください。

肉売り場
様々な部位

 まだ毛がついている状態で販売されている部位もあるので、これを調理できる人はすごいなと尊敬します。

ブカレストで一番おいしい〇〇

 混沌の建物を抜けると、ブカレストで一番おいしいと言われている(私調べ)Miciの専門店があります。

行列をなす地元民

 地元民の行列に並び、ほしいMiciの数を伝えると、グリルで焼き立てのMiciがパンとマスタードと共に提供されます。

1人でMici

 Miciはルーマニア料理でサルマーレ(ルーマニアのロールキャベツ)と並ぶ大人気グルメで、ミンチにされたお肉を棒状に成形してグリルで焼いたものなのですが、程よい歯応えのある弾力はハンバーグと肉団子の間のような食感で、肉々しいジューシーな味わいはマスタードとビールとたまらなく合います。

友だちとMici

 周りはビール片手にMiciを楽しむ地元民で溢れていて、Miciは屋外で食べてこそ、雰囲気と共に味わうおいしさだなぁと実感します。

ホットワイン

 こちらはブカレストで一番おいしいと言われている(私調べ)ホットワインです。ぶどうの味もしっかり感じながら甘さと渋みのバランスがよいワインで、熱々でコップに並々と注いでくれます。Miciとホットワイン、ぜひお試しあれ。

Piața Obor第二の建物

 冒頭の写真で左奥にあった建物は、より整理された落ち着きのある初心者にもやさしい雰囲気です。

野菜、果物、蜂蜜

 1階部分は野菜や果物、ナッツ類が販売されています。

安心感のある雰囲気

 残念なことに2階部分の写真を撮り忘れてしまったのですが、エスカレーターを上がると、先ほどの第一の建物とは大違い、デパ地下の食品売り場のような雰囲気で生鮮食品が売られています。お値段は第一の建物よりも高いですが、安心してお買い物がしたい人にはこちらがおすすめです。クレジットカード対応のお店も多いです。

第二の建物の先にもテントが続く
休日はさらにテントが多い
晴れた日のPiața Obor

 以上、私の大好きなOborの紹介でした!ルーマニアに遊びに来てくれる友だちも必ずOborには連れて行くと決めています。最後までお読みいただきありがとうございます!もしブカレストを訪れる機会があれば、ぜひ現金と強いハートを持ってOborで買い物を楽しんでみてください。


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