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映画のすゝめ:『奈落のマイホーム』(2020)114分
はじめに
皆さんシンクホールというものをご存知ですか?
地下水による浸食や、何らかの化学的影響により地下に空洞ができ、その空洞が地表まで達し地表が突然陥落しできた穴をシンクホールといいます。
日本でも2016年に博多駅前の道路が突然陥没する事件が発生しましたが、あれがシンクホールです。
※Wikipediaを貼っておきますので、気になる方は一読ください
そんなシンクホールが突然我が家の下にできたら?
さらには購入したばかりのマイホームの真下だったら?
夢のマイホーム。
ましてや都市部でのマイホームとなると相当なお金持ちでないと気軽には購入できません。
何年も何年も仕事を頑張り、お金を貯め、ローンを組みやっと手に入れた念願の我が家。
幸せの象徴そのものであるマイホームがある日突然地の底に沈んでしまったら、皆さんどうしますか?
本日紹介するのは『奈落のマイホーム』
韓国が舞台のディザスター・パニックムービーです。
2024年9月2日現在、Amazonプライム・U-NEXT・Netflix・huluで視聴可能です。
予告編はこちらから。
あらすじ
平凡なサラリーマンのドンウォンは、11年間必死に働き、節約をし、やっとの思いでソウル市内にマンションを購入した。
家族3人これから幸せな日々が待っているはずだった。
床の傾斜や外壁のヒビなど多少気になることはありながらも、あまり重要視していなかった住人たち。
ある日ドンウォンの会社の後輩たちが引っ越し祝いに駆けつけてくれた。
酒も入り楽しい夜を過ごした一行。
後輩たちの為に車の代行を頼もうとするドンウォンだったが金額が高すぎると納得せず、後輩2人を家に泊めることに。
一夜明け二日酔いのドンウォンたちはスヤスヤと眠っていた。
するといきなりミシミシという音ともにマンション諸共地中に沈み始めた。
逃げ遅れたドンウォンと後輩、そしてマンションの人々。
彼らは一致団結し地表に戻ることができるのか……
感想※ネタバレ
緊張感あり、笑いあり、涙ありのディザスタームービーでありながらホームコメディ。
緊張感とコメディの比率が丁度良いのです。
何より背伸びして手に入れた幸せが奈落の底に落ちていくと風刺もしっかり効いてます。
主人公のドンウォンはやっとの思いでマイホームを購入しているからまたまだ節約が必要です。
体型を気にしているけどジムにだって気軽に入会できないし、家族写真だってネットから割引で予約。
さらには少し背伸びして購入したソウル市内。
勿論中心地の好立地は購入できるわけもなく、数年前までいい印象はなかったがここ数年で少し回復してきたという土地。
そんな必死こいて手に入れた我が家が一瞬で落ちていくのです。
映画の最後、キャンピングカーで移動しながら、自分の理想と身の丈に合った生活を手に入れたキム代理との対比がとても面白いですね。
そして何より面白いのがクセの強い登場人物たちです。
まずは隣人のマンス兄貴。
ドンウォンの行く先々で出会いドンウォンを小馬鹿にしてイライラさせる彼が、窮地に立たされたときものすごく頼りになるんです。
1人水中に残りタンクの蓋を閉めるシーンには思わず兄貴〜〜と泣かずにはいられないし、ラスト浮上してきてタンクごと皆を助けるシーンには思わず兄貴!!!!と拳を握ってしまいましたね。
でも思春期を迎えた息子の前では、タジタジとどうして良いかわからない頼りないパパという意外な一面も。
私が一番好きなのはキム代理です。
誰よりも見栄を気にして好きな女の子にも想いを伝えられない彼が、一度地に落ちたことで大事なことに気づくのです。
大事なのは高級マンションを持ってる財力なんかじゃないって。
きっとギリギリのところであのままタクシーに乗って友だちの結婚式に向かっていたら、事件後の幸せな生活はキム代理には訪れていなかったでしょうね。
溝の有った父と子、想いを伝えられなかった男女、色々な溝が一度落ちたことで埋まった素敵な面もありながら、ドンウォン一家は苦労して手に入れたマイホームを失っただけだし、隣人の幼い息子と母親は二度と顔を合わせることはできず、年老いた母は息子を亡くし後を追う。
ご都合主義のハッピーエンドだけではなかったのもまた良かったです。
ぜひご覧になった方はコメントで映画の感想交換できたら嬉しいです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。