「冬眠をし忘れた熊は耳を奪わない」
イタリアのフリウリ地方に住む粉挽職人のメッキオは、「ちょうど牛乳のなかからチーズの塊ができ、そこからうじ虫があらわれてくるように、このうじ虫のように出現してくるものが天使たちなのです、、、」と創造主たる神を否定した。
時代は16世紀、メッキオは異端裁判にかけられ火あぶりにされてしまった。
おなじようにパン職人のミシマも、目に見えないものの存在を否定して、パン生地をこねるとおのずと天使があらわれるという唯物論者なのではないか、という視点からの批評。
「冬眠をし忘れた熊は耳を奪わない」小笠原博毅