自信喪失、深夜徘徊…コミティアに出展するまでの話
どうも、若林アスカと申します。
単刀直入に言います。
コミティア出展するのにこれだけ大変だと思わなかったです!!!!(クソデカボイス)
え、コミティア出てる人天才…!?
全部自分でやるのってこんな大変なの…!?!?
印刷所を自分で決めて、原稿描いて、ミスないかちゃんと確認して、自分で入稿して…
大変すぎました!!!!
これからコミティア初参加するって人のためにも、自分の振り返りの為にも
コミティア出展までの出来事などを書いていこうと思います!
①そもそも「コミティア」とは
Wikipediaによると…↓
まぁ、めっちゃ簡単に言うと
コミケ=2次創作の同人誌即売会
に対して
コミティア=1次創作、完全オリジナルの同人誌即売会
です!
オリジナル以外はダメ!完全に自分でオリジナルの漫画を描いて販売するイベント!
今回の会場は東京ビッグサイト!!!(なんか韻踏んでもうた)
すっげーデカかった!!!とても元太の気持ちになった!
②コミティアに参加しようとした理由
去年の年末、いつもお世話になり倒しているあんじゅ先生とお茶してて、来年の目標などについて色々話してたのよ。
フリーランスの漫画家になってからはほぼエッセイ漫画しか描いておらず、2年目(昨年12月時点で)なのに賞も獲れないしなかなか花が咲かない…
…そこで先生に助言を頂いたのだ。
先生「創作漫画描いてみたら?コミティアに参加するのもありだと思う!まずは下見でコミティアにお客さんとして参加してみてもいいんじゃない?」
これに対して私は
「そうか!!!一旦エッセイ漫画じゃなくて創作漫画描いてみよう!コミティアにも一度お客さんとして参加してみるか!!」
と、のりのりまさのりの状態で年を越し、
2023年1月に開催されたコミティア(京都)に行ってみる事に。
そしたら…これはもう、ものっっっっっっっっすごく、感動した。
会場は広くて、何百の作家がいて、読者と直接コミュニケーションが取れる。
中には売れっ子なのか、行列が出来ている作家がいた。
これに私は心に稲妻が落ち、ビビッと来てしまい
「あ!!!!私も行列が出来るくらいの作家になりたい!!!」
と、突発的に思ったのよね。
承認欲求を満たすためでもあるし憧れでもある。
2月、東京ビッグサイトでコミティアがあったからこれまたお客さんとして参加してみた。
するとどうだろうか、会場はびっくりするくらい広い。学校の体育館なんか比べものにならないくらい。元太が何人いても足りない。劇場版・名探偵コナンなら最後に確実に爆破されるレベルでデカすぎる建物。
ワイも…ここで売れたい!!!ここで行列が出来るくらい面白い漫画描く作家になりたい!
出展してみよ!!!
と決めたのである。
駄菓子菓子!!!!
あんな過酷な思いをするとは知らずに…
③ネームデータ消去事件&精神壊滅し、深夜徘徊
バイトを1週間休み取って、この間にコミティアに出す漫画を完成させようと思ってたんですよ。
私の脳内スケジュールでは、
1日目…脚本作成
2〜3日目…ネーム作成
4〜5日目…ペン入れ
だったのねん。
1日目の脚本作成、これが結構時間かかってしまい…
元々描こうとしていた物語が恋愛漫画なんだけど、まさかの、ワイ、
恋愛漫画描けずギブ…
女の子ってどこでキュンとするの?
このキュンを持っていくにはどういう前提の行動がいるの?
人が恋に落ちる時ってどうなるの??
いや私だって恋くらいしたことあるよ!!何回も!!!
でも大人につれて「人を好きになる」っていうのが分からなくなって…
(この人のこういう所尊敬する!だったりこの人の生き方とても素敵だ!と思って人を好きになることは多いけど、恋心かと言われると分からない。恋愛としての好きなのか、人としての好きなのか、違いがいまいち分からない)
小学生の頃、あんなアホほど恋愛漫画描いてたのに、今全然描けねぇ…どうぢよう…恋描けへんとかやべーだろ…なんだよ…
こうして恋愛漫画は無念の断念。
これで2日間掛かってるよね。
で、新たにストックしてたネタがあって、それを描こう!!と思い、脚本を書き出したんだよ。
でもさ、
脚本作成がぜっっっっんぜん終わらねーーーーーの!!!!!
いつまで経っても終わらない、あと原稿のページ数も考えないといけない(私は40ページで終わらせたかった)、このあとネームを描く時間も確保しないといけない
と、なるともう
脚本書いてる時間がねぇ!!!大体の流れだけ把握してあとはネーム描きながらなんとかする!!!!!!
そしてやっと3日目夕方。もう1週間は後半だね。
ネームを描き始める。
もう今日中にネームを完成させないとペン入れが間に合わない。
この1週間で出来なければもう日がない。だって1週間もバイト止めたらその分の収入が無くなるからね。だから休みは極力少なくして出来るだけバイトは入りたかったの。
こうしてネームを3日かけて書き上げた…
と思いきや、ここでアクシデントが。
ネームが後半に差し掛かった時、それを感じた。
いや、ページ数めちゃ多なるって!!!!!今もう50ページやんけ!!!どっか削らな!!
そう、ページ数の問題である!!!!
私はペン入れの時間を少なくしたくて40ページまでにしようと思っていたけど、実際は50ページ以上になりそうだった。今ネーム描いてるのがもう48ページとかやったから。
そして私は思い立った…
物語の差し替え!!!
A案だったものをB案にしよう!!!
で、ここでまさかの振り出しに戻るんだ!!!
またそこだけ脚本を変えてネームを描く…
するとそれまで描いてたネームも少し変更せざるを得なくなるから全体的に手直しが必要。
そう、ネームのほぼ描き直し!!!
ここでネーム作品のデータを複製。(原稿消去すると復旧できないから、念のためコピー)原本データと複製データを分けて、複製した方で要らないデータを消していこうと決行。
順調に消していくネーム。
よし、一旦一から読み返す。
あー、やっぱりあのシーン必要かも!原本のデータから読み込も!
と、原本データを開く。
…
…
…
…ん?
…んん?
ちょっと待て、このネーム消去してた方が原本じゃねええかあああ!!
ってことはワイは今、原本のデータを消してたって事じゃん!!!
複製ちゃんとできてなかった!!!あぁもう詰んだむり
はい、実は作品データを複製出来ておらず、原本の作品データをただただ消してたって事です。
50ページ近くまで描いてたネームが16ページくらいになってました。
3日かけて描き上げたネームが、
頑張って頭振り絞って必死になって描いたネームが、
全部パーになったわけですよ。
もうね、さすがに病んだよ。
消去したデータはもう戻せない。
もう全てが無理すぎて頭の中で何かがプツンと切れたような気がして、
「あ、無理だこれ。間に合わねぇ。」
夜中12時、チャリで自宅付近を深夜徘徊しました!!!
もう限界すぎて!!!精神ぶっ壊れて!!!
目的もなく、ただただ無心でゆらゆらと徘徊しておりましてな…
あんなに頑張って描いたネームを消去してしまった。しかも復旧できない。また一から描き直すしか道はない。
そんな現実を受け入れたくなさすぎて、現実逃避のために深夜徘徊した。
1時間ほどして帰宅。
そしたら深夜徘徊がリフレッシュに繋がったのか、なぜか
「あかん。間に合わへんけど死んでも間に合わせる。絶対間に合わせる。」
と心に決め、ペン入れはもう時間的に無理やから、せめてものネームだけでも仕上げなければいけぬ。と。そうして根性だけで2日でネーム46 ページを仕上げた!!!もうこれは気合いと根性だけでやり切ったよ…僕はもう疲れたよ…パトラッシュ…
④原稿完成したのに入稿できなくて詰む
4月末、ちょうど4日間休みの日があったからその間にペン入れを済まそうとしたの。
もうね、死ぬ気で原稿描いた…
4日で46ページ描いて入稿までしないといけない、
いや、無理やろ、絶対間に合わんやろ、と…
でもそんな弱音を吐いている時間はないし、時間は止まってくれないし、
もう間に合わねぇじゃねぇ、間に合わせるんや!!!!!!
と、根性だけで4日で46ページ仕上げたの!!!!
褒めて!!!!マジで!!!!途中嫌になりすぎてまた深夜徘徊を何回かしたけどなんとかなった。無理とか言ってねーで手を動かせ!!!!てめぇはまだ間に合う!!と言い聞かせておりました!!!あとサンボマスターの曲聴きながら気合い奮い立たせてた!!!
いやぁ、4日間で46ページ仕上げるってほんまに大変なんやなって思った…
マジで終わらんし、私が印刷してもらおうと思ってた会社の入稿締め切りが5月2日だったから、せめてもの1日の午前中には終わらせないといけない…(ギリギリすぎると怖いから、少し余裕を持って)(全然余裕じゃないしギリギリやけど)
そして締切ギリギリ印刷所に入稿。
あ〜!!!!やっと入稿できた!!!あとは同人誌が完成されて会場に届くのを待つだけや!!!!良かったぁ〜
と、白湯を啜りながらホッとしていると印刷所から電話が。
…おや?と思い電話に出てみると
「すみません…もう印刷の枠がいっぱいなので印刷できません」
と言われ
「!?!?!?」
と頭大混乱
そこの印刷所のホームページをよくよく見てみると、どうやら印刷するのに予約が必要だったみたいで、私はそもそも印刷するためには予約が必須ということを知らなかったのだ!!!!!
てか原稿を仕上げることで手がいっぱいすぎて、そこまでちゃんと見てなかったのだ…
で、ワイ、詰み状態。
もう絶望だったよ。
だって、バイト止めてまであんなに時間かけて描いた漫画が入稿できない=会場で販売できないんやもん。マジでもう終わったと思った。もう、今までの頑張りは全て無駄だったじゃねーかクソがよ!!!!!
と自分にキレまくり、発狂して、
コミティアに30年ほど出展している先輩漫画家(いや大御所漫画家)にその出来事を伝えると
「ここ!!ここなら印刷所まだやってると思うよ!!」
と、また違う印刷所のホームページを送ってくれて
「え、、、、神、、、。??神ですか??」
泣きそうになるワイ。
まだ道はあったのだ。
そこの印刷所に一応確認の電話をしたら予約なしでも印刷可能とのことだったので、すぐに作品データを入稿した。
これで本当に終わりです!!!!あとは当日会場に届くのを待つのみ!!!
…いやぁ、
同人誌を作るって大変なんやなぁと…
コミティアに来てる作家全員、こんな大変な思いをして漫画作ってんだなって。
大尊敬だよ。作家みんなすげーよ。てんちゃい…
⑤自信喪失…500円の価値
コミティア当日。
会場は東京ビッグサイト。
お金がない私は、夜行バスにのって大阪から東京まで来た。
(売り子として妹にも着いてきてもらった。給料出せない代わりに交通費、ホテル代出すから来てくれって言ったら着いて来てくれた)
開始時間は11:00。
念の為2時間前に会場入りして自分のスペースに着くと自分の作った漫画がダンボールに入って置かれてて。
開けて手に取って確認して、凄く感動したのよ!
すっげーーーー!!ワイの描いた漫画が本になってるーーーー!!!感動ーーーー!!
…しかしだ。
私は正直、漫画の内容に自信がなかったのだ。
漫画を仕上げることで頭と手がいっぱいすぎて、後で完成原稿(データ)を見返した時に、
「あれ…?ワイの漫画っておもろいんか…?なんかこことかもっとこうした方が良かったかも…あぁ…面白いんかな、これ…誰も買ってくれないかも…もうダメだ…」
とネガティブな状態で東京に来ていたのだ。
ワクワクもあったけど不安の方がデカかった。
で、11:00になり開場。
お客さんがどんどん入ってくる。
私は
「果たして買ってくれるのか…?私の漫画面白くないのかもしれない…うう…一冊も売れなかったらどうしよう…」
の状態で待機。
不安すぎて手の震えが止まらなくて、吐き気もキツくなる。
隣の人を見るとすでにもう何冊か売れていてそれ見て落ち込む。
見本誌(誰でも立ち読みどーぞ的なやつ)を置いててそれは結構読まれるんだけど中々買ってもらえない。その状況にもっと自信がなくなる。
あぁ、やっぱり私の漫画は面白くないんだなと。
その時、たまたま通りすがりの方が私の見本誌を手に取ってくれ、読み見始めた。
「うん…どうせ買われないんだ…だって私面白くないのかもしれないから…」
ネガティブがピークに達したとき、
「これ一冊ください」
と言われた。
ん?!君、今一冊くれって言った…?!パニックになってあたふたしながらも
「ご、500円です」
「ありがとうございます!」
500円を受け取り漫画を渡して、その人は去っていった。
その時、凄く尊く感じた。
たった500円。されど500円。だけど、その500 円はとても価値のある、重みのある500 円だなと。
だって死ぬ気で描いた私の漫画を1人でも面白いと思ってくれて、刺さってくれて、お金を出して買ってくれた。
その人が頑張って汗水垂らして働いたお金のうちの500円を私の作品に使ってくれた。
こんなに、価値のある500円って中々ないよ。
たった500円だけど、それはとても価値のある500円。
なんだか泣きそうになった。
その後、計4名の方々が買ってくださった。
自信がなさすぎて、不安すぎて一冊も売れないと思っていたけど、4冊は売れた。
売上は計2000円と決して多くはないけど、でもそのお金にとても価値を感じる。
私の作品にお金を出して買ってもらうって、泣きそうになるくらい、思った以上に嬉しいものなのよ…
⑥メンタルよわよわすぎてヤケクソに応募した漫画
コミティア終了後。
私の近くに「出張編集部」という大きなブースがあった。
これは何かというと、例えば少年ジャンプ、サンデー、マガジンなど漫画の出版社が一同に集まって、漫画の持ち込みが出来る、かつアドバイスをもらえるという商業誌デビューを目指したい人たちにとってはめちゃいい機会なのだ!
出版社ごとにブースがあって、自分が持ち込みしたい出版社のブースに行って対面でアドバイスをくれる…とても貴重な機会なのだ!
で、そんな貴重な機会だから自分の漫画の持ち込みをしようと思ってた。
けど、もうその時すでにメンタルが崩壊してたから
「持ち込みしてもどうせダメ出しされる…アドバイスもらった方が良いのはめちゃくちゃ分かる。でも、今の私にそれを受け入れるメンタルがない…泣」
メンタルよわよわすぎてダメ出しをくらう勇気が出ず、出版社のブースをうろついてから帰ろう…
と思ってたら、とある出版社のブースの前に、縦長の小さいポストのような箱が置かれていた。よく見てみると、ここのボックスに、描いた同人誌を投入するだけで、うちの賞応募できますぜーって趣旨のものだった。
それが色んな出版社のブースに置かれたいた。
「同人誌を箱に入れるだけで応募できるのか…!?漫画結構余ってるし、どうせ無理やからもう色んな出版社に入れたれ!!!」
とメンタルが狂いすぎてヤケクソになり、色んな出版社のボックスに自分の描いた同人誌を入れまくった。
で、その夜。
一通のメールが来て見てみたら、応募した出版社から
「あなたの作品が受賞しました」
って連絡来て「!?!?!?!?」状態。
そこの出版社の賞が、1日で受賞者が決まるっていう面白い賞で、私はその趣旨を知らずに応募して、気付いたら賞を獲っていた…
今まで賞なんて獲ったことないし、ましてや1ミリも賞を獲ることに期待してなかったから、嬉しいのはもちろんだけど驚きの方が強かった!
なんで!?え!?嘘やろ!?は??
となんかもう泣きそうになる。
フリーランス漫画家になって3年、何してもどう足掻いても花咲かなかったのに、今回はちょっとだけ希望が見えた。
なんか、辞めなくて良かったなぁ〜って…
ただ、あまり期待しすぎても怖いし調子に乗るのも怖いから、
絶対売れるんだって気持ちだけは強く持ったまま、調子を上げることにするよ、おれ…
小学生の頃の夢が「商業誌で連載する」だったから、もう一度それに挑戦してみるぜ!
⑥これからコミティアに初参加する人に伝えたいこと
これまで色々話してきたけど、マジでメンタルの管理と締切の管理がほんまに重要…
あまり落ち込まないこと、人に頼る(できればコミティア出展経験のある人に)、分からないことあればすぐにググる、間に合いそうじゃなくても絶対間に合わせるという執念を持つ、先に印刷所を決めて予約してから原稿を描く事←めちゃ重要
多分これさえしっかりできていればなんとかなる笑
私は今回初めて出展したし全てが手探り状態だったし、そもそもトンボがある漫画原稿の描き方も知らなかったからね…(トンボの意味が分かってなかった)(漫画家やのに)
この私の経験がコミティア初出展しようとしている誰かの役に立てれば幸いですな!!
あと、クリエイターは応援されると飛ぶように喜びますんで、応援してくれ〜!!!!!
最後まで見てくれてありがとう!!!
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