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映画観ました報告『FLEE フリー』

日頃映画を見ない私の映画見ました報告。

今日みた映画は、『FLEE フリー』。
https://transformer.co.jp/m/flee/

デンマークに住み、アフガニスタン難民でゲイである主人公アミンが、少年時代を過ごしたソビエト侵攻とムジャヒディンとの内戦の最中、どのように家族と共に故国を逃れ、自由を得るに至ったかを本人の言葉から綴るアニメーション。

しかし、アミンは架空の人物ではなく、実在の人物、本人が語る言葉も本人のもの。しかし本人や家族などに危害が及ぶおそれがあるため実写表現を行わず、アニメーションをかぶせている。

母国アフガニスタンで味わった少年の漠然とした不安、ソビエト連邦崩壊直後のロシアでの不法在住者としての不安定な日々、デンマークに逃れてもまだモスクワに残る兄と母への配慮から自らの境遇を偽り続ける姿、そして、イスラム教ではタブー視されるゲイであることへの家族へのカミングアウトを経て得た精神的自由、少年が大人になるまでの葛藤と難民として生きるアミンの不安定な生活が相まって、スクリーンに釘付けになった。

アフガニスタンの革命から40年以上を経過しても、政情は安定せず混乱が続く。難民の数だけアミンが存在する事実を考えると宗教と政治、キリスト教的価値観とイスラム教的価値観、世俗的なものと原理主義的なもの、正解を紐解くにはあまりにも複雑な問題が横たわっていることを改めて考えさせられる。

世界をすべての人が少しでも生きやすくするために何が出来るかと言うのは簡単だ。この作品に綴られている1980年代から、問題は解決していない。世界中の人が違う価値観への寛容さを持つべきであるし、そのためには自分の含めひとりひとりが、もっと世界の広さと今を知ることが必要だと思う。

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