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尾瀬の山小屋に泊まる旅 2日目

2024年7月に1泊2日で尾瀬に行ってきた。
1日目は高速バスで新宿→尾瀬へ移動、鳩待峠から入山して尾瀬ヶ原を歩き、見晴地区の弥四郎小屋に泊まった。

4時起床。早朝の湿原の様子を見に行く。
曇っているけれど僅かに晴れ間も覗いていた。

当然のように何人も早起きしている

弥四郎小屋の朝食は6時だが、それ以前に出発する人には前日夜に食事を持たせてくれる。
今日は尾瀬沼を周って下山し、大清水という場所から出る15時のバスに乗って帰る予定だ。
ここから大清水までは7時間くらいで着くらしいが、何があるか分からないので5時半に出発することにした。
おにぎり1個とお茶を部屋でいただき、残りは道中で食べることにして持って出る。
なお、このおにぎりは異次元の腹持ちを見せた。

こういう徒歩でしか辿り着けない場所を発つ時の空気というのは独特で、(もう簡単には戻ってこられないんだ…)という寂しさが込み上げる。
見晴タウンにサヨナラバイバイという感じだ。

仲間はふえていないが次の町へ

尾瀬沼までの道のりは、時間帯のせいもあって誰もおらず私の熊鈴の音が響くばかりだった。
しばらくは歩きやすい木道が続いて余裕をかましていたが、岩場も出てきたので慎重になる。
6:30ぐらいに反対方向からの人と初めてすれ違った。

一番怖かったのが白砂峠の辺りにあった沢で、前日の雨のせいか足場になりそうなところが完全に水没していたので足運びに難儀した。もう二度と来ないからなと思った。
しかし、そこを抜けるとすぐに美しい湿原が広がり、ひどいことをされても離れられないのという気持ちになった。

07:05 白砂湿原
小屋でもらったおにぎりをここで食べる

ここで反対からやって来た国籍不明のお兄さんが「大清水から来たが今日初めてのすれ違い」と言っていた。今日は足元が滑るから気を付けてと言ってくれたので、私もこの先にやばめの沢があると伝えて別れた。

07:30 沼尻休憩所

尾瀬沼の畔まで来るとかなりオープンワールド感がでてきてテンションが上がった。
今住んでいる横浜くんだりのつまらない住宅街とこの場所が地続きになっているのがとても信じられない。
雨天決行平日小屋泊早朝出発(十三字熟語)の恩恵か、人が全然いないのが嬉しすぎて一人で震えていた。

鳥の声しかしない

だんだんすれ違う人数が増えていき、浅湖湿原の辺りまで来ると比較的軽装の人もけっこういた。

8:05 浅湖湿原
08:15 大江湿原

分岐点を帰りの方向へ進む前に、ニッコウキスゲの群生地へ寄り道する。
ちょうど今が見頃で、この辺りは朝からかなり人通りが多かった。

折り返して尾瀬沼ビジターセンター方面へ。
この辺りは見晴のように山小屋や売店が集まってちょっとした町みたいになっている。
長蔵小屋の売店を物色してピンバッジを買った。

2024年限定バージョン

時間に余裕があるので、長蔵小屋別館のすてきな喫茶店で時間を潰す。
ここのアイスコーヒーは大ジョッキでいきたいレベルで美味しかった。

アイスコーヒーとくるみバナナのマフィン

周辺をぶらぶらしながら旧長蔵小屋のそばにあるビューポイントへ。
ここで娘さんに「あの先もずっと道が続いてるんだよ。広いところなんだよ」と教えている父親がおり、(そう、その道の先から来たのが私…)と心の中で参加しておいた。
こういう初心者特有のイキりが全然抜けない。

ずっといるとスマホのバッテリーとメモリーを食い潰しそうなので移動開始。

10:10 見納めの燧ヶ岳

時間が余っているので、少し歩いたところにある尾瀬沼山荘エリアでも休憩。
改めて、広大な自然の中をしばらく歩けばポケモンセンターみたいなノリで山小屋が点在しているのが尾瀬の味わい深いところだと思う。

いよいよここから下山開始。
美しい尾瀬沼に泣く泣く背を向けて眺望も何もない山道に突っ込んで行く。

10:50 三平峠

三平峠にある尾瀬と書かれたデカい看板の前では両方向からの登山客が休憩していた。
大清水からの山登りは普通にきつそうだが、風景のご褒美感もあるのでアプローチとしてはアツいのではないかと思う。

脚に疲労も来始めたので、ここからの下り道はときどき個人客に追い越してもらいながら慎重に進んだ。目立って危ない箇所はなく無事に一ノ瀬バス停まで到着。
昨日の鳩待峠出発からここに来るまでのコースタイムは9時間、歩行距離は23.6kmだった。

11:45 バス停近くの沢

12時に乗合タクシーが出発し、20分程度で大清水に到着。
予約している帰りのバスが15時発なので、山菜そばを食べたりして時間を潰した。
ここの休憩所にいる人は、来た人がバスを逃さないように声をかけたりしていて親切だった。

提供時間は学食のスピード感

バスは定刻通りに発車し、無事に新宿へ到着。
乗車中ずっと起きていたが、徐々に町並みが変わる感じがひたすら悲しかったし、新宿に着いた時の殴られるような現実感は凄まじかった。
それはそれとして、トイレ休憩で立ち寄ったSAに北海道物産展みたいなコーナーがあったので、じゃがポックルを買えて嬉しかった。

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