小心者がメンタルを保つために効果的な本
兎にも角にも今日も一日平穏であれ、と思いながら生きているので、きつめの言葉や怒りとかはめっぽう苦手です。さらに言えば仕事上でも、めんどくさいなぁとか思われたくないので頼みごとも辛いのですが、やらなきゃならないこともある訳で。
そんな自分の先入観で拡大しているプレッシャーを抱えると、寝つきも悪くなるし、寝汗もかくし(あまり関係ないかもだけど)、焦りや不安に心落ち着かないことも多くあります。
そういう時に、何かためになるかなと思い自己啓発やら決断系やら、いろいろ本は読んでみたのですが、結局最近一番効果的だったのは、伊坂幸太郎さんの小説でした。
特に「AX」の兜、「死神の精度」の千葉、「陽気なギャング」シリーズの成瀬が好きで、彼等の言動や行動を読んでいるだけで、妙に達観するというか、仕事は仕事と割り切れる感覚が出てきます。
生きることにおいて仕事の成功=人生の成功、みたいな空気感から距離を置いて、それはそれでやりつつも、兜にとっての家族、千葉にとっての音楽、成瀬にとっての銀行強盗のように、自分にとって大事なこと(好きなこと)があればいいじゃないかと。
AX(アックス)
「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらない。
この紹介文の一文だけでも、グッとくるのだけど、仕事として淡々と殺しをする一方で、妻への極度な気遣い(というか対応マニュアル)が最高に面白い。
死神の精度
一週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断をくだし、翌八日目に死は実行される。クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生。
死神である千葉の視点から見ると、人間の行動に客観視されたおかしさが生まれていて、そういう距離感で物事に接すると楽になるなぁと。
陽気なギャングが地球を回す
ゴキゲン4人組の正体は、百発百中で成功する銀行強盗だった。しかし、ちょっとした誤算で売上をトランクに入れたままのクルマを現金輸送車ジャックに奪われた…。不況気分をぶっ飛ばすアクション。
娯楽としてのエンタメに振っても伊坂ワールドなのは、軽妙なセリフや伏線の回収なんだけど、とにかく成瀬の人物像がとてもよく、ある意味プロフェッショナルサラリーマンの姿として理想形だなと思います。