ライター中村洋太さんに学ぶ「文章構成のコツ」
以前、こんな記事を書いた。
この記事はライター師匠である中村洋太さんに添削いただいたのだが、当初は読み返すのも恥ずかしいほど文章構成がなっていなかった。今回はこの記事の添削で学んだ「文章構成のコツ」について書いていきたい。
時系列で書くのではなく、結論から書く
私の書いた記事に大きな問題があると、中村さんから赤文字で書かれたメッセージをいただく……。
その文章はときに厳しい意見も含まれていて、勇気を振り絞って読む必要がある。今回はこのように書かれていた。
”長めの前書きには随所に今回のテーマとあまり関係のない脱線も見られ、「いつになったら物語が動き出すんだ」と焦らされる。読者の注意を本題から逸らす表現が多い。
もっとスッと入る構成としては、「なぜダンサーの私が、ライターとしても活動することになったのか。その経緯を話したい」みたいな入り口に。”
添削前の記事は時系列で文章を書いていた。記事の前半で高校の思い出を長々と書き、後半にやっとダンスの話題がでてくる。読み返して気がついた。「これは自分でも読みたくないな」と。
もう一度やり直し。まずは結論から書く。そして文章構成を練り直して、このようになった。
「投稿文の書き方が上手だから参考にさせてもらいたいな」と出演者から嬉しい言葉をもらえた。文章を褒められたのはいつぶりだろう。 ……ふと、高校生の頃の記憶がよみがえった。夏目漱石の『こころ』が載っていた高一の国語の教科書。この作品の一部を学校の授業で読んだとき、鳥肌がたつほど感動したのだ。
時系列ではなく、「今の自分の感情→その感情にリンクするエピソード」という展開に。わたしの心情が伝わりやすい記事になったと思う。文章の順序を変えただけで伝わり方が変わるのだ。構成の大切さをひしひしと感じた。
大きな山に向かっていくように書く
中村さんから「記事を書く前に内容をざっくり声に出してみては?」というアドバイスをいただいた。中村さんも文章を書くときにいったん言葉にしてみるそうだ。
「なるほど。話せないことを書けるはずがないよなぁ」と思い、このアドバイスを実践してみた。
まず段落ごとに自分の伝えたいことを録音。それを聴いて「ちょっと違うな」と感じたら、もう一度イメージし直す。これを繰り返すうちに、文章の脱線が減ってきた。
不必要な文章があると中村さんは「小さな谷を生んでいる」とおっしゃった。小さなトピックスが邪魔をして、一番伝えたい部分に文章が向かっていないのだ。
それからわたしは文章構成を登山のように考えるようになる。「ちゃんと山を登っているのか?読み手は下山しないだろうか?」と。
文章構成は読み手への思いやり
中村さんのご指導で印象的な言葉がある。
「人の心にふわっと着陸するような、そんな書き出しがいいんです。」
たしかにそうだ。大げさな書き出しより、スッと心に入ってくる書き出しがいい。
中村さんの「Webライターが単価を高めるためのアドバイス(完全版)」という記事。こちらを読んで、わたしは中村さんにライターコンサルをお願いしようと思った。読み手への思いやりが詰まっている。勇気を出して中村さんに連絡できたのも「受け入れてくれる人だ」と文章から感じたからだ。
わたしも誰かを勇気づける文章を書きたい。
まだまだ道のりは長いが、これからもがんばっていく。
(記∶池田あゆ里)
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