子猿のゆううつ、楽園の出口(2)
その場その場の優位な価値観に身をまかせ、自分の目でものごとを見ないこと。自分の頭で考えないこと。それがもたらした暗さについて。
男も女もなく、等しく子猿のように育てられた幼稚園時代をとても快適に過ごしたものだから、小学校に入ってものすごく驚くことになった。この新しい小学校という世界では、男女はあまりにもはっきりと分けられていた。出席番号順の名簿は男女で別々。教室での席割りも女子の列、男子の列とが作られた。体育の授業で着用する指定の体操服もそれぞれ違うものが配られた(女子