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[agariパフェ日記 vol.8] 秋の女王が催すお月見会「イチジクと梨とバルサミコのパフェ」

まだまだ暑い日が続いている。
東京では、最も遅い猛暑日の記録を82年ぶりに更新したのだとか。

それでも、agariのパフェがシャインマスカットからイチジクへ変わったと聞けば、一気に秋を感じるから不思議。

イチジクは、漢字で 無花果 と書く。
でもお花がないのではない。

実は、果肉だと思って私たちが食べている部分の一つひとつがお花なのだ。

私はその事実を、agariスイーツセラピストのジョナさんに聞くまで知らなかった。

イチジクの性格

「あんなにかわいいお花を持ちながら
 食べられる時までその姿を見せないなんて」

ジョナさんはそう言って、イチジクのことを
高貴、控えめ、奥ゆかしい
そんな言葉で表現する。

でもその一方で
「他のフルーツと同じようなお花を咲かせられないことをイチジクが気にしているかもしれない」
と、少し心配もしている。

この気持ちが、愛情なのか愛着なのか慈しみなのかわからないけれど、イチジクを大好きなのは間違いない。
ジョナさんはいつの頃からか、イチジクを「イチジク女王」と呼ぶようになった。

高貴で奥ゆかしくて、でも少し憂いがある。
そんな女王様。

だからこそ「イチジク女王の魅力を皆様にお届けしたい!」との気持ちを、毎年パフェで表現してきた。
ある年はかわいいお花を咲かせたり、別の年には冠をかぶせてみたり。

そしてとうとう今回は、イチジク女王にお月見をさせてあげることにした。

イチジク女王だったら
どんなふうにお月見を楽しむかな

そんなことを想像して作ったパフェ。

テーマは『イチジク女王のお月見会』
女王と中秋の名月を楽しむ気持ちでいただきましょう!


そこにはイチジク女王が鎮座している

今回のトップ。
タイムの王冠をかぶったイチジク女王にも見えるし、三日月みたいにも見える。

一旦お皿に置いて後で食べるという選択肢もあるけれど、私はたいてい最初にいただく。

強いこだわりがあるわけではないけれど
口にまだ何もない状態で、素のフルーツの味を楽しみたいと思っている。

イチジクはプチプチで、ジュクっとトロッとしていて、甘い。

その下には、ドライイチジクとバルサミコのジャム入り生クリーム。

この生クリームはすごい。
イチジクの濃厚な甘みにバルサミコの酸味を重ねて、さらなる深みと甘みを出したクリーム。

私は甘いもの好きとして、人生でこのクリームに出会えたことに感謝している。

生クリームの間に挟まれているのは、アーモンドとオレンジのチュイール。
このチュイール、本当は満月を模していて、トップに飾りたかったとのこと。

でもどうしてもうまい具合に飾ることができなくて、この位置に収まったのだとか。

チュイールの満月がイチジク女王の座布団みたくなっているのが、個人的に「女王らしくていいな」と思っている。
薄切りのイチジクと梨が、女王の椅子の装飾みたくなっているのもまたかわいい。

三日月型のイチジクの下にある
薄くて丸いのがチュイール

この豪華な椅子の中にあるのが、オレンジとスパイスのオーツビーガンアイス。

イチジクと柑橘って合うのかなと思ったけど、想像を遥かに超えてピッタリだった。
味が重なるというよりは、イチジクの甘みの中からオレンジの香りがそよ風みたいに吹いてくるイメージ。

このアイスが、味に変化と驚きをもたらしてくれて私はとても好みだった。

女王とともに月を愛でる

進んでいくと、ざく切りの梨が登場。

この梨がイチジクと対極で、シャキっとした爽やかさを醸す。
濃厚なパフェの中で、食感・味わいともに大切なアクセントであり、秋の訪れを知らせてくれた気がした。

ここで存在感を示してくるのが白玉。

お水ではなくお豆腐を使って作った白玉は、小粒ながらモッチモチ。
私は無類のもっちり好きなので、ここで登場する白玉に否応なくテンションが上がる。

ちゃんと小豆もある。
しかも、お砂糖の代わりにドライイチジクで甘みをつけた小豆。

コクはあるけど、甘さは控えめであっさりしている。
だからこそ、イチジク生クリームや蒸しイチジクの甘みを加えても全然くどくない。
白玉や小豆に様々なイチジクを重ねることで、むしろもっと楽しめる。

イチジクのパフェで白玉と小豆もいただけるなんて!と思ったけれど。
そうだ、これはイチジク女王のお月見会だった。

これが  イチジク女王だったらどんなふうにお月見を楽しむか  の大きなポイントかもしれない。

きっとココこそが、イチジク女王とお月様を愛でる気持ちに浸る場面だ。

パフェもお月見をしているみたい

心を落ち着けて食べ進めると、ブルーチーズのパウンドや、ドライイチジクを一緒に焼き込んだクランブルグラノーラに出会う。
これらがどっしり構えてくれているので、白玉で浮ついた私の心や、空へ向けて舞い上がる気持ちを地上に戻してくれた。

底の紅茶ゼリーは、オレンジキャラメルシロップと和えている。
このオレンジの香りがまた爽やかで、オレンジアイスとともにとても重要な役割を果たしている気がした。

すべてはジョナさんの掌の上

「オレンジがすごく効いてたね」
そうジョナさんに伝えると、目を丸くしてこう言われた。

「オレンジ、合ってた?よかったー。
 女王が飲んでるのは
 お茶じゃなくてオレンジペコだからね」

よくよく聞くと、お月見会はこんなふうに開催されていた。

浴衣を着たイチジク女王がお団子を食べながら
ティーカップでオレンジペコの紅茶を飲んでいる

「ティーカップは、3本足がついたやつだけんね」

私の気のせいでなければ、なんかちょっと、ドヤ顔だった。

結局私は、ジョナさんの掌の上で転がされていた気がしなくもない。
でもその思惑どおり、このイチジクパフェの中で何度もオレンジを感じていた。

あの時私は、イチジク女王と一緒にオレンジペコを飲んでいたんだなぁ。
そう思うと、少し嬉しい。

中秋の名月は過ぎたけれど、秋の夜長はまだまだこれから。
皆様も是非、このパフェをいただきながらイチジク女王とともに秋をご堪能ください。

そうそう、実はジョナさんが生み出したイチジク女王のキャラクターが存在しています。
それもいつかきっと皆さんにお見せしたいので。

「いつか本物のイチジク女王に会いたいな」
パフェを食べながら、そんなことを心の片隅で願っていただけると嬉しいです。

[Photo : Masayuki Nakano

パフェバーagari
東京都渋谷区神宮前3-1−25 コーポ外苑サイド 1F
平日 13:00-20:00 (L.O 19:00)
土日祝 11:00-18:00 (L.O 17:00)
水木定休(時々不定休あり)
予約推奨、営業日時の詳細はinstagramにて
instagram : parfaitbar_agari
予約 : tablecheck

*イチジクと梨とバルサミコのパフェ*
 提供期間:2024/9/13-10/1



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