【読感文_5】反日種族主義
今回読んだのは「反日種族主義」。韓国の人々が根源的に持っている反日感情から生まれた矛盾を批判する内容。
出版された昨年には大きなニュースになったので知っている方は多いかと。
著者は韓国人学者の李栄薫(イ・ヨンフン)氏。
内容は、一日本人の自分が読んでも衝撃的。
大日本帝国が韓国を統治下においていた時代から、現代の竹島や慰安婦問題にいたるまで韓国人が"教養"として持っていた知識、価値観を事実ベースで否定・批判をしていくもの。
一部の日本人にとっては「韓国ざまあwww」とか思うんだろうなあと感じるほど韓国という国でなく"民族"として批判している。
本の感想 - 憂国の想いが紡ぐ衝撃の暴露本
まず、この本はプロローグからフルスロットルで韓国人の学者が韓国を様々な角度から批判するところから始まる。
プロローグの見出しを抜粋;
・嘘をつく国民
・嘘をつく政治
・嘘つきの学問
・嘘の裁判
思わず私は「何回"嘘"使うねん」と呟いた。
これ、まだプロローグですからね。
そして李氏は韓国民族を「自由で独立した個人の概念を持たぬ一つの集団であり、一つの権威であり、一つの身分」と定義した上で、その中に含まれる本質的なファクターとして"反日感情"が存在すると分析。
本の中では朝鮮併合時、戦前、戦中、戦後、現代で日韓の間で行われた韓国人から見た"日本人の非人道的な仕打ち"を韓国内外の資料を基に批判をしていく。
その中でいくつか気になった項目を抜粋すると;
☆日本は朝鮮併合後に韓国内の農作物を金銭のやり取りなしに強奪していた
→その逆で韓国の農作物は"輸出"され、一時期日本が輸入規制を設けようとした際には韓国内で批判が起き、輸入規制へ不平不満を訴える記事まで発行された
☆徴用工や陸軍特別志願兵、慰安婦は強制動員され、過酷かつ理不尽な仕打ちを受けた
→基本的にはあくまで"自分自身で志願した人々"であり、"国内の教育で流布されている仕打ちも事実でなく誇張されたものが多い"こと。慰安婦に至っては戦後40余年の間、日韓の問題にすら上がっておらず、その間に事実が改ざんされた。
このあたりだろうか。割愛するが個人的には民族としての特徴をさらに詳細に語るパートも興味深かった。
ただ一貫していることは「日本がやったひどいことはひどいこと、ただその事実を国民自身が反日感情をベースに世代を跨いで歪曲している」という姿勢を示し続けている。
そして忘れてはならない大切なポイントは筆者の李氏は韓国という国を愛するが故に憂いていること。
その感情的に張り裂けてしまいそうな思いを胸に様々な資料を引っ張り出して客観的、合理的、具体的に記していることにとても感動した。
まとめ
私個人として韓国人の友人も多く、政治や歴史と個人の関係性は分けて考えるようにしている。それでも、読み進めるうちに日本人として心苦しく複雑に感じてしまう部分も数多くあった。
それと同時にこのような政治的な問題に関してただ単に自分自身の考えだけを持つだけでなくその対極にいる人たちの意思や精神を理解することが大切だと再認識させられる。
この本を書くにあたって様々な壁があったであろうにもかかわらず出版までこぎつけた李氏には深い尊敬の念を抱くし、自分自身としてもこれをきっかけに今後の日韓関係の動向をさらに深く見守っていきたいと感じた。