貴族的にキュウリをはさむ
こんにちは、天音です。
皆さん、サンドイッチは好きでしょうか。
私は大好きです。
玉ねぎの入ったツナ、卵サンド、トマトとレタスのハムサンド。
ジャムを挟んでもいい。自分ではあまり作りませんがフルーツサンドも大好きです。
そして欠かせないのがきゅうりサンド。
きゅうりをパンに挟むだけでもいいんですが、スライスチーズも足せば完璧です。無駄のない美味しさ。
この簡単なサンドイッチ。
私は物語の中でも出会ったことがあります。
オスカー・ワイルドの戯曲『真面目が肝心』。
原題"The Importance of Being Earnest".
アーネスト(真面目)をめぐる風習喜劇です。
その物語のワンシーンで、上流階級の登場人物がなんときゅうりサンドを食べるシーンがあるんです。(ちょっとうろ覚えなので間違っていたらすみません)
私は最初このシーンを、貴族なのに庶民派だなと登場人物に親近感を覚えながら読んでたんです。しかし当時のイギリスではきゅうりはとても高価なものだったらしく、上流階級の象徴として登場した食べ物でした。
今ではどこでも手に入るきゅうり。
少々値段が上がっていて若干庶民の味方とは言いづらい相手ですが、親しみのある夏野菜ですよね。
少し余裕のある、休日の朝。
今日ばかりはコーヒーではなく紅茶にしてみましょう。
ルピシアのユニオンジャック。
なんだかハイソな気分です。
食パンにバターとマヨネーズを塗って、薄く切ったきゅうりをのせる。
英国紳士淑女ならばここで終わるかもしれませんが、なにぶん私は日本在住の一般庶民なのでさらにチーズも挟みます。臨機応変です。
なんの変哲もない、極めて平凡な朝ごはんですが、そういう背景を思い浮かべたら少し特別な食事にならないでしょうか。
気分はさながら英国貴族🇬🇧
意識して背筋なんか伸ばしちゃったりして。
目玉焼きトーストもあの洞窟のシーンを思い浮かべながら食べれば、それは立派なジブリご飯です。
些細な日常に想起できる物語が増えるのって、白かった塗り絵に色彩が増えるのに似ていますよね。
適当に思える食事も、それが出てきた物語を思い出すことができるならば。その日々は物語に彩られている証拠です。
淡々と過ごす日常に、何か別の要素が入り込むのは素敵なことですよね。
……ちなみに私がパンにジャムを塗る時思い出すのは、ピングーのクレイアニメです……。あのいちごジャムの不思議な質感が幼少期から脳裏に焼き付いて離れません……笑。
今日、あなたのごはんにはどんなストーリーがついていますか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました🌸