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第1回 #ダム際ワーキング 越境学習ツアーat 浜松・佐久間ダム 開催レポート

2022年12月12日(月)、静岡県浜松市天竜区の佐久間地域で第1回目の #ダム際ワーキング 越境学習ツアーat浜松・佐久間ダム を開催しました。
全国の社会人・大学生23名現地参加の高校生が16名と盛況のイベントでした。

2022年12月14日 静岡新聞朝刊で記事化されました。

#ダム際ワーキングについては、このサイト(↓)の解説をご参照ください。

1.#ダム際ワーキング 越境学習ツアーat 浜松・佐久間ダムとは?

このツアーは、観光庁の地域独自の観光資源を活用した地域の稼げる看板商品の創出事業として行っているもので、静岡放送株式会社が運営主体となり、僕たちあまねキャリア株式会社・株式会社なないろのはな 浜松ワークスタイルLab(越境学習および #ダム際ワーキング の企画と実施を担当)、株式会社NOKIOO(Webによるプロモーションとマーケティングを担当)、株式会社 mocha-chai(モカ・チャイ)(ツアーの企画と運営と担当)、株式会社エージェンシースギタ(Dexi)(ワーキングスペースづくりを担当)、および地域おこし協力隊の方が参画しプロジェクトチームを組んで進めています。このプロジェクト自体が組織の越境体現しています。

浜松駅から貸し切りバスに乗車しいざ佐久間へ!アクト観光さん、大変心地よい運転でした

2.往路(浜松駅⇒佐久間):ネットワーキングタイム

当日は、朝9:45に浜松駅前に集合。全国各地(遠くは新潟県、福岡県)の人材開発・組織開発・地域開発を生業とする社会人の皆様、地元浜松の企業経営者の皆様22名と、静岡文化芸術大学の4年生1名、計23名が参加。
キャンセル0名の満席御礼で僕たちを乗せた貸し切りバスは、快晴の浜松市街地を後にしました。

総勢23名。キャンセル0名。満席でバスは快晴の浜松駅を出発しました

行きのバス車内で過ごす時間はネットワーキングタイム

まず最初に、このプロジェクトのリーダーでもあり佐久間出身の静岡放送 浜松総局 大見拳也(おおみけんや)さんによる挨拶。
佐久間地域の歴史と現状、大見さんの佐久間に対する思い、今回のこのプロジェクトにかける思い、皆さんへの期待、そしてなぜ静岡放送でご自身がこのプロジェクトに向き合っているかなどを熱く語りました。

静岡放送 大見拳也さんによる挨拶。大見さんはこのプロジェクトのリーダーです

続いて、講演者の1人沢渡あまね(僕)による挨拶。これから参加者の皆さんが体験する越境学習人材開発組織開発における意義と、 #ダム際ワーキング にかける思いなどをお話し。

そして今回のスペシャルゲスト、島田由香(しまだゆか)さん(株式会社YeeY代表取締役ほか)によるオープニングメッセージ。島田さんが情熱を持って取り組まれているwell-being(ウェルビーイング)と、島田さんご自身の生き方を熱くお話しいただきました。

今回の講演者、島田由香さん(写真左)と沢渡あまね(写真右)

すっかりパッションで熱気が高まったバス車内。
ここからは参加者の自己紹介タイム。浜松ワークスタイルLab平野乃愛(ひらののあ)さんの進行で、マイクを回しながら参加者全員が自己紹介。

往路のバス車内。すでに越境学習は始まっています

お互いの人となりや興味関心を知りつつ、近くの席の参加者同士で会話しながら、一行を乗せたバスは最初の目的地・静岡県立浜松湖北高等学校佐久間分校に到着しました。

3.越境学習プログラム(浜松湖北高等学校佐久間分校の教室にて)

教室にご案内いただき65分間のランチタイム。お弁当とお茶が振舞われます。

教室でのランチタイム。往路のバスで場が温まっていたため、会話も弾みます

行きのバスで既に場が温まっていたため、自然と参加者同士、名刺交換や会話が弾みます

ランチタイム終盤では、望月(もちづき)副校長に浜松湖北高校佐久間分校の現状や思いなどをお話しいただきました。

静岡県立浜松湖北高等学校佐久間分校 望月副校長によるご挨拶。キャリア教育にも大変熱心

さて、いよいよ今回のイベントのメインディッシュ。
越境学習プログラムです。ここからは、佐久間分校の生徒さんたち(16名)も参加。5時間目と6時間目を利用し、授業の一環として社会人・大学生参加者と一緒に講演を聞きグループディスカッションをします。

沢渡あまね(僕)が、越境学習と #ダム際ワーキング の意義と、これからの時代を生きるための3つの力について講演。

沢渡あまねによる講演。越境学習、#ダム際ワーキング(ワーケーション)、
これからの時代を生きるための3つの力について解説
これからの時代を生きるための3つの力について解説

続いて、島田由香さんwell-being(ウェルビーイング)の考え方と効果について、大変わかりやすく講演。

島田由香さんの講演。well-being(ウェルビーイング)をわかりやすくそして全身で解説

10分の休憩を挟み、5~6人1グループ(計7グループ)で20分のグループディスカッション。各グループに高校生が2~3名ずつ参加し、「講演を聞いて感じたこと」「これから自分でやってみようと思ったこと」「講演者2名に聞いてみたいこと」を話し合ってもらいました。

休憩時間から、既に社会人・大学生と高校生の対話が盛り上がっていました。社会人・大学生の参加者が率先して話しかけ、高校生の意見や笑顔を引き出してくれたのが大きいです。

高校生と社会人・大学生を交えた越境ディスカッション
社会人参加者のファシリテーション、高校生の意見や発表の場にも

なお、ファシリテーションのポイントは僕の新刊『話が進む仕切り方』でも解説しました。宜しければご活用ください。

グループディスカッションの後は、発表とコメントタイム。

手挙げ式でそのグループで話し合ったことと、講演者2名に聞きたいことを発表してもらい、講演者2名がそれぞれ回答しました。

発表内容と講演者の回答内容は、平野さんがノートパソコンのパワーポイントファイルにタイプ。プロジェクターに投影し、その場で学びや気づきが全体に視覚で(も)共有されるよう運営しました。

立場を越えてディスカッションする。越境学習の1コマ

高校生の質問の内容や発表内容も素晴らしく、全員がイキイキと授業に参加してくださいました。

望月副校長からも「いままでも(このような)交流授業を行うことはあったが、生徒がこんなにイキイキしている姿ははじめて見た」と嬉しいメッセージをいただきました。

会場には佐久間分校の先生方のほか、天竜商工会天竜区観光協会浜松山里いきいき応援隊佐久間協働センターの皆様もお越しになりオブザーブ。佐久間の「新しい景色」と「変化」を体感いただきました。

地域に生まれた新しい景色。学びを軸にした地域活性

4.佐久間ダム見学。地域学習と参加者同士のネットワーキング

ここからは地域学習の時間。社会人・大学生参加者と運営スタッフは、再びバスに揺られ佐久間ダムへ。

佐久間ダム全景。季節の移ろいとともに様々な表情を見せてくれます

佐久間ダムでは、J-POWER(電源開発株式会社)の皆様に佐久間電力館をご案内いただき、佐久間ダムの歴史とダムの役割などを学びます。

J-POWER(電源開発株式会社)さんによる解説

展望台で記念撮影をした後に、ダム施設見学。J-POWERさんの先導で、参加者一同ヘルメットをかぶり、特別に監査廊(かんさろう。ダム堤体内部に備わる管理用の通路)を歩き、ダム堤下へ。

佐久間電力館の展望台で記念撮影。学びが思い出とともに心に刻まれます
佐久間ダムの監査廊(通常は立ち入ることは出来ません)
堤下からダム堤体を眺める。皆が上を見上げている景色ってイイね

通常は立ち入ることのできない場所に越境し、ダムの仕組みや意義を体感することが出来ました。

5.復路(佐久間⇒浜松駅):振り返りタイム

中山間地の冬の空気をたっぷり吸って、一行は帰路につきます。

佐久間ダムから浜松の街に戻ります

帰りのバス車内は、振り返りタイム

マイクを回しながら参加者1人一人、今回の越境学習ツアーで学んだこと、戻ってから取り組むことなどを言語化。

佐久間ダムの天端(てんば)を歩く

高校生との越境学習はもちろん、山奥に向かう景色の変化やダムの景色もアタマとココロに余白や化学変化を及ぼし、思索や内省や対話が捗った様子。そのような変化を、早速言葉にしていた参加者の方もいました。
即アウトプット、素晴らしい!

アクト観光さんの安全かつ快適なバスの運転で、気分が悪くなる人もおらず皆さん振り返りに集中できました。

そして浜松駅到着。それぞれの気づきと思いを胸に、皆さまそれぞれの景色へと戻って行かれました。
景色の越境、立場の越境、さまざまな越境が生まれた良い越境学習の場になりました。

参加したすべての人が、心地よく心の殻をやぶることが出来た。
いわば、心地よいアンラーニングがおこなわれた場でもあったと確信しています。ワーケーション×越境学習の効果を実感しました。

6.僕たちのこだわり2点

今回、僕らなりにこだわった点が2つあります。

1点目。とにかく「学び」「越境学習」重視のプログラムにしたかった。
今回のツアーには、いわゆる遊びの要素は一切入っていません。いや、敢えて入れませんでした。ワーケーションというと、バケーションのイメージも強く、ツアー提供者は何かと遊びのアクティビティや観光を盛り込みがち。

しかしながらそれでは参加者が得られる効果は限定的。なおかつ、会社としてワーケーションに参加しにくい/させにくい企業が大半だと僕自身のワーケーション体験からも感じています。

そんな思いで、行き帰りの道中も含めて学びを盛り込みました。
参加者の皆様は相当アタマとココロが忙しかったかと思いますが、普段のオフィスワークやテレワークの生活では得られない学びや変化を得ていただいたものと確信しています。

2つ目のこだわり。
地域の人たちのためだけに何かをするのではなく、参加する他都市の人たち、ひいては運営するスタッフも学びを得られる場にしたかった。

中山間地(今回は佐久間)の人たちのために何かをしてあげる。
そのような、ともすれば提供者の独りよがりな目線になりがちなプログラムにはしたくないと思いました。

関わる全ての人たちが学びを得ることが出来る関わる全ての人たちがwell-being(ウェルビーイング)な状態になる。そのような取り組みこそが持続可能かつ健全であり、そんな場を少しずつ創っていきたいと思って、僕自身もこの事業に参画しています。

小さな町の大きなダムが世界を変える

僕たちは確信しましたし、その景色を全国のダムのある土地で創っていきたいです。

7.ダムを様々な人たちの学びと笑顔を生む場所にしていきたい。

ダムは地域と地域外、様々な人たちの思いと思い、知識と知識をつなぎ、たくさんの笑顔を生む「懐が広い場所」だと改めて感じました。

今回のイベントでも、参加した社会人の皆さん、地域の高校生の皆さん、地域の皆さん、運営スタッフなどたくさんの笑顔を見ることができ、大変嬉しくそして誇らしく思いました。

8.島田由香さんから後日いただいたメッセージ

講演者、島田由香さんからこんなメッセージもいただきました!

企画・運営者一同の、そのようなパッション(情熱)に共感する人にご一緒いただき嬉しく思いますし、そのパッションを紡いでコトを興していきたいです。皆さんも、積極的に巻き込まれていただけたらこの上ない悦びです。

皆さんも #ダム際ワーキング してみませんか? ダム際から新しい景色を創っていきませんか?

景色が変われば意識は変わる。意識が変われば組織や地域は変わる。

越境して景色変えていきましょう!

9.第2回 #ダム際ワーキング 越境学習ツアーat浜松・佐久間ダムについて

なお、第2回目の #ダム際ワーキング 越境学習ツアーat 浜松・佐久間ダム は2023年1月19日 法政大学教授越境学習の権威 石山恒貴先生をお招きして行います。全国の、組織開発・人材開発・地域開発を生業としていらっしゃる方や経営者の皆様、是非ご参加を!

天端(てんば)で会おう!

10.参考図書・プログラム

▼書籍『新時代を生き抜く越境思考』

▼書籍『越境学習入門』

▼オンライン越境学習プログラム『組織変革Lab』

▼個人参加型オンラインコミュニティ『沢渡あまねマネジメントクラブ』