「コミュニケーションが希薄になったから、出社しなさい」……ってなんか違うと思う
「コミュニケーションが希薄になったから」
そんな理由で出社に戻す企業が増えていると聞きます。
これ、個人的にいろいろ疑問に思います。
「そもそも、仕事をするためにそこまで高頻度かつ密なコミュニケーションが必要なのでしょうか?」
「だからといって四六時中同じ場所、同じ空間にいる必要があるのでしょうか?」
「他人との接触やコミュニケーションが苦痛な人もいるのでは?」
など。
仮に対象業務がオペレーション(ルーチン作業など)だったとしたら、そこまで密なコミュニケーションをしないと成り立たないのは、仕組み・仕掛けの面で改善の余地があるような気がします。
もちろん、ちょっとした異変の対応、相談事、突発業務への対応など対面で信頼関係を築いていたり、雑談があったほうが円滑に進むメリットも大いにあります。
とはいえ、強制して毎日または高頻度出社させるのは違う気がします。
仮に対象業務がクリエーション(新規事業企画、クリエイティブな制作業務、問題や課題の解決など)だったとしたら、対面のコミュニケーションの有用性はさらに高いでしょう。
とはいえこれまた、毎日または高頻度の出社が効果的かと言うとこれまたダウト。むしろ景色や関わる人を変えたり、隔絶された空間や時間で一人でじっくり考えたほうがアイディア出しも構想も捗ったりするものですから。
オフィスの出社ではなく、ワーケーションを取り入れてブレインストーミングなどをしてみるのもありかもしれません。
なにより……
世の中には希薄なコミュニケーションを好む人もいます。
他人との関与を苦手とする人、コミュニケーションが苦痛な人も存在します。
もちろん仕事ですから、業務上必要なコミュニケ―ションはとってもらわなければ困りますが、「一人で集中したい」「他人とあまり関わらずに過ごしたい」人もいる(かつ、それで成果を出せる人もいる)です。
(私自身、わりとそういうところがあります。だからテレワークも重視しますし、何を生む訳でもない、かつ変わり映えのしないメンバーとの遅くまでダラダラ続く飲み会とか苦痛でしかなくまず参加しないです)
皆が他人大好き、皆がコミュニケーション大好きな前提でコミュニケーションをとらえていませんか?
コミュニケーションが希薄でも、パフォーマンスを出しているチームもあります。
オンラインと対面を組み合わせて、成果を出しているチームもあります。
大切なのは、常に集まってコミュニケーションをすることではなく、困った時に「ヘルプが挙げられる」(ヘルプシーキング)、個人とチームそれぞれで問題や課題を解決できる。そこなのではないでしょうか。
●そもそもどんなコミュニケーションを必要とするのか?
●コミュニケーションがないと、「業務上」どんな支障があるのか?
●オンラインで目的を達成する方法はないか?
この自問自答をして、やり方をアップデートしてみませんか。
コミュニケーションマネジメント・コミュニケーションデザインの発想で、オンラインとオフライン(対面)、リモートワーク/テレワークとオフィスワークを組み合わせて「勝ちパターン」を実現していきましょう。
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