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【文学フリマ東京39】ウタ・カタ参加作「浮かばれない」について

収録作「浮かばれない」

先に告知記事を書きましたとおり、2024年12月1日(日)東京ビッグサイト開催の「文学フリマ東京39」にて販売されるホラーアンソロ本「ウタ・カタ vol.1 浮く」に、「浮かばれない」という作品を書き下ろしました。

カッコいい背景付きの引用画像を作っていただきましたが、こちらに抜き出されているのは、作品冒頭の一文です。後ほど詳しく語りますが、いかにもホラーが始まりますよ、という書き出しを意識しております。

今回は、この作品の執筆にあたってのもろもろを書き綴っていきたいと思います。

文学フリマ二本目の参戦決定、してから驚いた
今回の文学フリマ東京39にてもうひとつ参加するアンソロ本「ヤンデレアンソロ ルージュ」への参加を西野氏から打診され、快諾したその一週間後、今度はたらはかに(田原にか)氏から、「ホラーアンソロ作るので参加しない?」とお誘いを受けました。

noteではご存じのとおり「毎週ショートショートnote」を運営されている同氏、以前も毎ショ一周年の際に電子書籍版を出したときにも参加させていただいていたので、そんな感じかなーと「ぜひぜひ!」と参加表明させていただきました。

ホラーというジャンル指定(後述します)、またすでに一本参戦が決まっており余裕があるのか、というふたつの懸念はよぎりましたが、〆切が被らないこと、こちらのほうが文字数が短いこと、そして「浮く」という広すぎも狭すぎもしない絶妙なお題をいただけてモチベーションが刺激されたことなどが、二本目の参加を即決した大きな理由です。

しかし。
参加表明後に執筆メンバーを伝えられて、「へぁ?」と思わず不思議な声が漏れました。

  • カモガワ奇想短編グランプリ大賞、「幻想と怪奇」に寄稿されている石原三日月さん

  • note創作大賞2023を受賞、ホラー小説「祈願成就」が発売中の霜月透子さん

  • 2000字のホラーWeb別冊文藝春秋賞受賞のたらはかに(田原にか)さん

という企画者3名はもちろん、

  • 第18回坊っちゃん文学賞大賞受賞の椿あやかさん

  • 前代未聞のチクワ・サスペンス「私はチクワに殺されます」が発売中のgojo(五条紀夫)さん

と大変わかりやすい実績のあるお二人、そして何かしら受賞されたりホラー関連で名を挙げていらっしゃる、もともと名前を存じ上げていた方々ばかりじゃないですか。だ、騙したな!(騙してない)

気楽な気持ちで参加を決めた毎ショ勢としては、秋田柴子さんと二人で肩を震わせ……いやいや秋しばさんもやまなし文学賞佳作受賞者やないかい! 裏切られた!(裏切られてない)

いやはや、こりゃ半端なもの出すわけにいかねえ……と、ホラーを書く前から気分はすっかりガクガクブルブルになりました。

どんな「ホラー」を書くべきか?~今回の推しポイント~
もはやガタガタ言っても始まらない、頑張って書こうと気持ちを奮い立たせたはいいものの、さて、自分としては「ホラー」を書けと言われて書くのはなかなか難しいぞ、という思いがありました。

どんでん返しオチが好きなamanatz、これまでも全然ホラーじゃないような展開から最後に「実はホラーでした」ってやるオチは、持ちネタというくらいあれこれ書いてきました。
以下、一例。どれも5分もかからないで読めるものばかりです。

でも今回は、ホラーアンソロ。
はじめからホラーを読みたい人が購入するものなわけでして。
そんな騙しかたは通用しないし、そもそも求められてないだろうな、と。

なので、実力が伴うかはさておき、今回は正面から「ホラー」を書こう、と最初に決めました。
具体的には、冒頭からはっきり「これはホラー小説です、怖い話です」と伝わる、伝える書き方にしようと考えました。
何か危険な匂いがする。あ、これはきっとヤバそうなことが起きるな。よくわからないけどゾワゾワする……など、とにかく惹き付ける入りかたをしよう、という。

なので、amanatzは普段はオチから全体を組み上げていくことが多いのですが、今回はもう、最後にどんでん返しができるかどうかは、後から考えよう! という精神でした。
その結果出力されたのが、はじめに引用した冒頭文というわけです。

何回見てもカッコいい紹介画像

かつてないくらい、この冒頭の一文含めた書き出しには気を配りました……!

さらなる深掘りについては
さて、こちらのアンソロ企画はホラーというジャンルも踏まえ、これ以上作品の内容をつまびらかにするのは避けさせていただきます。

果たして、目標どおり冒頭でしっかりツカめているのか。その後、ちゃんとamanatzらしい展開に持っていけているのか。そして、作中では、何が浮いて、何が浮かばれないのか。

ぜひ、お手に取って確かめていただければ。

なお、当日のブースや無料配布物等、詳細は石原三日月氏の記事をご覧ください!

いろいろ力が入ってますが、特に執筆陣でネタ出しした、ちょっとホラーで楽しい御神籤(通称、ホみくじ)もありますので、ぜひ引いてみてくださいね!


そして、文学フリマ東京39もうひとつの参加作、「ヤンデレアンソロ ルージュ」収録の「偏愛に至る病」も、どうぞよろしくお願いします!


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