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畳に掃除機をかけて慄いた日

暖かくなってきたから、寝室にしている四畳半部屋のカーペットを片付けた。
ふだん家で過ごす時間のほとんどは、仕事も趣味も食事も、LDKのフローリング空間だ。
畳敷きの四畳半にはあまり物を置かず(片隅の積ん読山と電気スタンド、ミニちゃぶ台くらい)、布団を上げ下ろしして、寝たり着替えたりの専用スペースとしている。
LDKのごちゃつきと対照的に、すっきりした寝室でくつろぎを呼ぶためだ。
暖房なども特になく、寝る前に軽く飲みながら読書する際、床から冷えるのを軽減するために冬場だけカーペットを敷いている。
まあ春がきたかなと感じるころ、晴れた日に天日干しして、ホコリをはたき、また冷え込みが始まるまで仕舞っておく。

今年も4月のある日、カーペットをベランダで干し、すっきりした四畳半を眺めた。
この、すっきり感に満足を覚える。
ふと以前ハウスダストについて読んだのを思い出し、掃除機をかけることにした。
カーペットを除けた四畳半、パッと見は申し分なくきれいである。

掃除機は、昨秋に買い替えた強力なサイクロン式のスティックタイプ。
手元近くに透明のダストカップを備えており、掃除のたびに成果(ゴミ)をチェックすることで達成感が得られるのが気に入っている。
畳の目に沿って、1mにつき10秒くらい目安でゆっくりと掃除機をかけてみた。

「おわっ」
思わずヘンな声出た。
四畳半に掃除機をかけ終わってダストカップを覗いたときである。
いつも見慣れたゴミ(ダークグレーで、繊維や髪の毛が主成分)とまったく異なる、グレージュ色のチョークの粉のようなものがびっしり…。
何かがこんなに採れるとは想像していなかった…。

焦ってもう一度、より丁寧に掃除機をかけ直した。
さらに、購入以来使ったことのなかった布団用アタッチメントを装着して、干し終えたカーペットにもゆっくり掃除機をかけてみた。
ちなみにカーペットと言いつつ、綿100%の薄手のキルト状で、毛足はほぼないタイプ、毎週コロコロと粘着クリーナーで掃除しているから、見た目は充分きれいである。
布団用アタッチメントもコロコロと軽快に動き、そんなに吸ってる手応えはない。

「ぐえーっ」
ダストカップの中にチョークの粉がどっさり…。
背筋がぞぞっとしてきて、すぐさま捨て、ダストカップやフィルターを分解して水洗いまでしてしまった…。

まじか〜〜〜。
これってダニ? カビ?
冬場の寝入りばなに咳き込むことがあったけど、もしかしてアレルギー症状だったの???
この細かいホコリの正体を知りたくなり、掃除関連本で良さそうなのを適当に選んで読んでみた。

『健康になりたければ家の掃除を変えなさい』
松本忠雄/扶桑社

著者は医療施設の清掃業務に長年携わっているそうで、感染症や健康被害を防ぐ観点から、気をつけるべきことが理屈に沿って書かれている。
2017年刊の本だが、コロナ禍の現在、かなり参考になる内容だった!
なんと、一般家庭のホコリ1gには、平均して細菌10万個&カビ6万個ほども含まれているというではないか。ヒィ~~~!(2014年 花王株式会社の調査)
ウイルスの含まれた飛沫もホコリに乗っかって飛散することがあるらしいし、その他の感染症やアレルギーを予防するためにも、掃除にもっと意識を向けたほうがいいかもしれないな…。
ホコリや菌を拡散させない効率のよい掃除の仕方など、今まであまり考えたことがなかった視点が満載でたいへん勉強になった。

さて、うちの寝室の話に戻るが、

家の中でダニが繁殖しやすい場所としては、
●クッション、座布団 ●ぬいぐるみ ●カーペット ●畳 ●布団 ●ソファ ●本 ●クローゼット、押入れ
などが挙げられます。

とのこと。
このうち3つが重なっとるじゃねえか!!!
やっぱりあのチョーク粉は、ダニの糞や死骸ということで間違いないか…。
畳にカーペットはもうやめるか…。
「ホコリで人は死なない」とよく言うが、死ななきゃいいってもんでもないよなと意識を改めて、もう少しまじめに掃除していこうと思う。


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