7月に観た映画の振り返り
7月に鑑賞してきた映画を振り返ろうと思う。
先ずは此方の作品から。
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①温泉シャーク
古代のサメが甦り観光客を襲う設定ということなので、ホラーの要素もあるかなあと思いながら見ていたら恐怖演出も含めてのハラハラ・ドキドキな展開を期待していたが…。
ホラー要素は無し!
寧ろどっかのコントバラエティを見ている気がしてならなかった。
というより、マッチョは何者なのか?
温泉シャークをビビらせることも出来る、深海を潜水できちゃう、ひょっとしたら人間ではなく魚人なのかもしれない(笑)
ラストは暑海市長が奮起してサメ退治をしたのだが、潜水艦を造るために壊された海上自衛隊の母艦の機器の一部は盗用しちゃうというのがハチャメチャ過ぎて、首相の会見もツッコミどころが炸裂している、非常にバカバカしい内容だった。
だからこそ、純粋に映画を楽しめて良かった!
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②潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断
自分なりに調べてみた結果について述べてみる。
潜水艦コマンダンテの正式名称はコマンダンテ・カッペリーニといい、これは実在したカッペリーニ司令官をリスペクトし船の名前にしたもの。因みにコマンダンテは日本語に訳せば"司令官"という意味になる。
コマンダンテ・カッペリーニ号のその後は数奇な運命を辿ることになる。日独伊三国同盟において最初にムッソリーニのファシズムが倒れ、続いてヒトラーのナチスが倒れ、日本が敗戦を認めるのだが、カッペリーニ号はイタリア→ドイツ→日本へと渡り、最後は紀伊水道(和歌山〜兵庫県淡路島〜徳島県)で連合国により海没処分。
コマンダンテについて説明したところで映画へ。
船籍不明の貨物船に襲撃されたにも関わらず船員を安全なアゾレス諸島(ポルトガル)へ安全に送ったトーダロの決断が素晴らしすぎる。
イタリア人だから
このセリフが凄くしびれる(;゚∀゚)=3ハァハァ
敵だろうが困っている人は見逃さない、勇気のある決断が多くの人命を救い、また第二次世界大戦を乗り切ったのが凄い。
エンドロールの説明で生き残った船員がトーダロの家族を訪れ、生きて帰れなかったトーダロの偉業を産まれてきたトーダロの娘に伝えてあげたのも、助けてもらった御縁は絶対に忘れないということだろう。色々な方々に見てほしい!
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③フェラーリ
映画鑑賞後にどうしてもミッレミリアの事故が知りたくなり、調べたらフェラーリ社の公式HPで詳細が掲載されていた。
1957年
59歳のエンツォ・フェラーリは苦難の一年だった
(演じたアダム・ドライバーは40代)
F1の参加を続けていくうちに赤字が膨らみ続けフェラーリ社は最早いつ潰れてもおかしくない事態だったが、耐久レースのミッレミリアで快進撃を見せたことにより名誉を回復した。
が、レース途中にドライバーのポルターゴが乗る車のタイヤがバースト、勢いよく破裂したタイヤは観客が見回る歩道へ乗り上げ、ポルターゴとナビゲーターのネルソンが亡くなったほか、観客の子供4人含む9名の尊い命が犠牲になった。
重大事故の責任を問われながらも最後まで身の潔白を証明すべく、事故車の検証からタイヤのバーストの証拠を見つけ出したことにより、フェラーリに落ち度がないことが判明。
責任を問われなくて済んだのは大きいが、観客を巻き添えにするような形で大事故を引き起こした責任で、1927年から続いたミッレミリアのレースカーは30年の幕で閉じることになった。
話変わりエンツォと愛人リナとの間に授かった婚外子だったピエロも認知され、今やフェラーリ社の副会長になっているというのも、フェラーリ社のみならずピエロの苦難のドラマを見ている気がした。
前述した事故のことが映画のメインテーマなので予め知ってみたほうが良いかもしれない。
特に事故後はフェラーリの車体の下敷きになりひどく傷んだポルターゴの遺体が真っ二つになっている様子が描写されているので、グロいのは苦手な方はやめるか、そのシーンだけを目を瞑って見ないようにしたほうがオススメ。内容は知らない事だらけでとても学習させられた。
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④フンパヨン 呪物に隠れた闇
はじめてタイホラーを見た。
因みに有料パンフレットの販売はなかった。
フンパヨンとは、呪物コレクターじゃないので、詳しくは説明出来ないのだが、編み込んで作ることにより作り手の願いのこもった人形のようだ。
母親の体調が良くなる祈りを捧げたフンパヨンを与えたところ娘は何かに憑かれ豹変した後に不可解な死を遂げてしまう。
フンパヨンのもつ呪物の力を信じたいがために終盤には出家していないエセ僧侶が出てきて殺した方々をまさかの土人形で誤魔化し供養しているとは。行政機関が機能しない僻地ならではの、偽装工作が出てくる時点でホラーといより、ヒューマンホラー。
子供っぽさだけが目立ったテも土人形を作っている時点でまさかと思ったら案の定。
フンパヨンより人のほうが怖いでエンド。
バンコクでも呪いまくるのだろうか(汗)
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⑤呪葬
初七日を題材にした台湾ホラーという内容であることを頭に入れながら鑑賞した。
最初に登場する勤務中のチュンファの居眠りで登場する怪異だが、ふと亡くなられたお祖父様がせめて自身の葬式には顔を見せに来てほしいと思い現れたのだろうかと思った。
いや、違ったm(_ _;)m
生前のチュンファンのお祖父様はかなりヤンチャな方のようで(苦笑)、実は婚外子がいた。
婚外子が叔父チュアンデとして登場。久しぶりに帰郷したチュンファンと娘チンシェンに対して優しく接する唯一の存在だったのだが、実はチュアンデには隠された能力があった…。
それは、霊を操る能力を身に着けたという。
最初に戻り、勤務中にチュンファの夢の中に現れたもの、帰郷してから二人の身に起きた怪異譚の全てが、心霊現象ではなく仕込まれたもの。
ラストにはチュンファとチンシェンを守ろうと亡き祖父が遺影から飛び出し助けるのだが、やはり印象に残るのは婚外子チュアンデの不遇から今回の復讐劇に至るわけで、手を組んだチュアンデの友人のミン祈祷師も故人のために念仏を唱えているわけではない?その事実もまた怖い。
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⑥密輸 1970
思っていた以上に笑いあり、人情味ありのドタバタエンターテイメントとも云えるかもしれない。
正確にはクライムアクション(=犯罪を題材にした作品)らしい。化学汚染で海が汚れ、捕れたアワビの殆どが腐っているためにお金にもならず船を出しても燃料費だけがかかる。生活費のため、会社を維持していくうえでやむを得ず闇商売に手を染め闇ブローカーと手を組むようになる。
張り込んでいた税関の船に違法行為がバレてしまいさらに船を急いで出そうとしたために碇が引っかかりロープが切れた反動で海に誤って落ちたジンスクの弟と助けようとした船長でもある父が弟とともに船のスクリューに巻き込まれ亡くなってしまう。
父と弟の死ぬ瞬間を見て気を失い倒れてしまったジンスクは逮捕されてしまうが何が何でも捕まりたくない主人公チュンジャは船からの逃亡に成功する。
2年後。
ソウルで洋服の密輸ブローカーとして切り盛りするチュンジャが港に帰ってきた。が、税関に通報し一人だけ金儲けをしたと思い込んでいるジンスクとのわだかまりは解消されない。
そして再び税関の目に留まるようになり、刑務所には戻りたくないジンスクは次の漁を税関の係長に告げるが、実は…と語れば長くなるので分かり易くいうと船内にまさかのスパイがいた。
それが分かり、通報した犯人がチュンジャじゃないとわかり、いっきにアクションコメディーへと様変わりする。やられたらやり返す。
見ていてすっきりする内容だった。
イライラしている時に見るのがオススメかも(笑)
1970年代に流行っていた当時の韓国ファッションにも拘りを感じて、内容だけじゃなく、音楽や衣装にもしっかり70年代を追求したのが凄い。
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⑦THE MOON
ネタバレしないよう話すのは難しいので分かり易く内容を説明する。
太陽風により電波が遮断されナロ宇宙センターと通信が出来なくなったウリ号。機体に不具合があるかもしれないため、機内にソヌを残す形で船長のサンウォンとユンジョンの二人で危険を顧みず船外へ修理に取り掛かる。
修理の末に再び宇宙センターと通信ができるようになったのも束の間、宇宙って恐ろしいもので通信機器が正常に作動しない、また正確な情報が伝わらない状態では、人間性が試される。知識がある云々ではなく、冷静に考えられるかどうか。
最初から太陽風のことを知っていたら発射なんてやめたはずだろうし、宇宙知識すら無知な方々により強行的に打ち上げられた末の顛末ならば自業自得としか言いようがない有り様。
だから、ナレ号の設計に携わり同じシステムのウリ号についても知識豊富なジェグクを呼んだわけだが、ラストになればわかる。そもそも発射には向かない状態だった、それでも国の威信がかかっているから発射はやむを得ない。強行的に打ち上げられたために事故は起きた。
自らの罪を知りながら、ソヌの言葉に突き動かされ宇宙センターに戻ったジェグク。ソヌに拒絶されてしまうが、自ら犯した過ちを伝え、ソヌははじめて父の死の真実を知る。
選ばれた宇宙飛行士が気の毒過ぎる!
人命を何だと思っているのか、それもまた国の威信をかけてならなんでも?北の将軍様と考え方は同じではないだろうか。まあ同じ半島だしね。政治の思考や首都が違うだけか(笑)
そのあたりイライラしか募らないからマイナス。天災ではなく人災によるものだから。
最後はムニョンの訴えに対して応えたゲートウェイに救われた。ゲートウェイに搭乗していた宇宙飛行士の心の広さが宇宙だったね。ラストがとても印象的だった。
ジェグクの罪を赦したソヌの心の広さも宇宙規模だった。
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⑧メイ・ディセンバー ゆれる真実
本作では、ペットショップのアルバイトとして雇った13歳のジョー少年を愛するようになった雇い主のジュリアン・ムーアが演じるグレースと親密な仲になり、やがて二人は不倫関係に。倉庫内での情事がバレて、通報され逮捕されたグレースのお腹にはジョーの子供が宿っていた。
実際の事件は以下の通り。
34歳のメアリー・ケイ・ルトーノーは担当している6年生のクラスで再びヴィリ・フアラアウの担任になる。13歳になったヴィリ少年はメアリーのあまりにも美しさからやがて好意があると仕掛けると、仕事は順調であっても家庭内では問題を抱えていたメアリーの心に突き刺さった。
メアリーは保守的なカトリックの家庭で生れ育つも弟は幼少期にプールで事故死、父親は大学教授だった頃に親しくなった女生徒と不倫関係にありしかも二人の婚外子がいる。
メアリーが22歳の時に望まない妊娠でおめでた婚をして2男2女の4人の子宝に恵まれるが夫のスティーブは浮気ばかり。
一方のヴィリ少年の家庭は恵まれているとは言い難かった、父親は毎日のように女性と遊ぶなどして孤立していた。
家庭内に心の拠り所のない二人が結ぶのは自然の流れともいえるのだろう。夫に通報され逮捕された4ヶ月後、ヴィリ少年との間に授かった娘が生まれ、後仮釈放が許されるが、メアリーは会ってはいけないヴィリ少年のもとへ行き再び情事に及んでいるのを警察に見つかり再び逮捕。
このときもまたヴィリ少年の子供を妊娠、2回目の獄中出産でヴィリ少年にとっては二人目の娘が生まれる。因みに夫スティーブとは獄中離婚している。
子供がいることを認知せざるを得ないヴィリ少年の両親はやがてメアリーを家族として受け入れ、メアリーの出所後、ヴィリ少年が結婚出来る年齢になったということもあり、二人は結婚。
12年後の2017年にヴィリが離婚申請し、翌年二人は離婚する。メアリーは2020年に末期がんで数ヶ月にわたる闘病の末に元夫のヴィリと二人の娘に最期を看取られながら58歳で旅立つ。離婚の真相はヴィリのビジネス上マリワナを売り捌くライセンスを取得するために必要不可欠だったという。
つまり、愛のある離婚だった。
映画とは違う顛末であるということを脳裏に入れながら、役を演じきるために深入りしたエリザベスのグレース役に対する魂は、第三者が見たらどう感じるか?を見事に演じてる。
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⑨大いなる不在
感受性豊かじゃないと今作品の良さは伝わらないかもしれない。正直、推察しかできないのでこういうことでは?ということを纏めてみる。
インテリで頭が良いことを家庭でも誇張したがる主人公卓の学者だった父陽二は重度の認知症を患い施設に保護されていた。およそ5年ぶりに二人は会話をするのだが、陽二はいつもと変わらない頭の良さを見せつけるも言うことは支離滅裂だった。
卓が5年前に大河ドラマに出演することを報告に行った際には、相変わらず自分の知識ばかり押し付けることには変わりないが、そんな陽二を理解し接している再婚相手の直美はあたたかく卓を出迎えた。
劇中では陽二が認知症になる前と認知症になってからの姿がいったりきたり。
それで次第に答えとして見えたのはあれだけ陽二に従順だった直美がしびれを切らし家を出ていったシーンのとき。認知症の症状がかなり進行しており、直美ですら理解できないようになっていた。あれだけ車の運転を許さなかったのに、別れたい意思が伝わったのか陽二は直美の頰を優しく撫でてキーを渡した。
直美の息子の塩塚の狙いが何なのか。
卓に嘘をついてでも何を問い詰めたかったか?
直美の妹の朋子がなぜ姉の代わりに宅配弁当を継続的に手配したりしていたのかも謎である。階段から突き落とされているにも関わらず。
それがもし、離れて暮らすことを決意した直美の陽二に対する思いだとしたら?
ラストの満潮の長部田海床路に向かうシーンは直美の最期だったのかもしれない。直美は陽二が認知症だとわかってはいたが、自分ひとりでは対処しきれず悩んでいたのだろう。
直美の死を通して親族が陽二に対する溜まりに溜まった不満があったのかもしれない。
塩塚の狙いは多分入院費じゃなく慰謝料だったかも。陽二も直美もお互い結婚して子供がいるにも関わらず一緒になることを選択した。
卓は母親を捨てたことを陽二を許さなかったが塩塚の場合は例外だったのだろう。離れても親子の絆は断ち切らなかった、だから見返したい気持ちがあって卓の前に現れたのでは?一方の卓は陽二との関係が遠くなるにつれ疎遠となり、父陽二について訊ねられても答えられなくなっていた。
卓が最後に施設の職員に対して話した延命治療の話も、父を知り、父の直美に対する恋を理解し、許せるようになっていたのではないだろうか。
答えがわからん分推理するしかない。
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⑩ヒューマニスト・ヴァンパイア・シーキング・コンセンティング・スーサイダル・パーソン
主人公サシャは幼少期に自身の誕生日パーティーで叔母が招いたピエロが目の前で殺されたことを機に、生きていくうえで人の血が必要不可欠であることをわかりながらも、なかなか人を襲うことができず、親も狩りを覚えてもらわねばいつまでも世話なんて出来ないよ~ということで…。
いとこで血気盛んなドゥニーズのところへ居候することになった。
ドゥニーズはサシャに人間を一撃で死に追いやる方法などを教えていくが、優しい心を持つサシャにはどうしても出来ない。挙句の果てにドゥニーズが誘い襲おうとしたJPの命を助けた。
なお、JPは後に吸血鬼となる。
そんなサシャに自殺願望を持つポールが現れた。
ポールはサシャが吸血鬼であると察し、生きていくために血が必要ならば自らの血を捧げても良いと話すがサシャはポールを襲うことができない。
ポールと過ごしていくうちにポールがアンリにいじめられていること、見返したい気持ちをサシャに打ち明け、アンリへの復讐を果たしたらサシャに自らの命を捧げたいと告げた。
ポールの思いを知ったサシャはポールと協力しながらいじめてきた相手に仕返ししていく。
そしてバイトをズル休みしてパーティーで盛り上がるアンリを見たポールはナチョスマンと誂われながらも、やり返したい一心でサシャの代わりにがぶりと手を噛んでしまう。それがアンリの怒りを買い、二人は急いで逃げるも後から車でやってきたアンリに見つかり二人は襲われてしまう。
そんなときに今まで眠っていたサシャの吸血鬼としての本能が芽生えると、ポールを庇いアンリのもとへ。ドゥニーズから教わった首の致命傷となるポイントに噛みつき、殺したのだった。
やっと復讐を果たしたポールは約束どおりに命を捧げサシャは襲われてしまうと意識しながらポールの首元を噛みつく。
が、致命傷ではなかったため、ポールは苦しみながら、後から助けに来たサシャのファミリーに助けてもらい、ポールは意識を取り戻した。あれだけ厳格な叔母さんもポールの救命に協力する姿勢を見せたのが驚きだった。
ラストのポールの母親が勤務する病院で死を間際にしている患者の血を抜き取るという大胆な狩りを二人で協力しあっている。
展開が読めなかったからまさか過ぎて逆に良かったかも。男女の恋愛関係ではなく、女手一つじゃ襲えないから相棒をつけより狩りの効率を上げたという印象かな。
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⑪フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン
月に連れて行ってが和訳の作品だがNASAが協力しているという事もあり、アポロ計画におけるアポロ11号の月面で撮影されたにも関わらず星条旗が風でなびいていた有名な逸話をコミカルに描いている。
NASAの結論
月には勿論行きました!
という結論には変わらないΣ(´∀`;)
今更あの写真は捏造でした!
とは流石のNASAも言える理由がない(;´Д`)
最大の謎は永遠に秘密だろう。
当時の米ソにおける熾烈な宇宙開発において先に有人飛行を成功しているソ連に対しアメリカは開発が未だ進まず実現に至っていないことを認めるわけにはいかない情勢だったからね。
スカーレット・ヨハンソンが演じるケリーもなかなか良かったです。エンドが近づくにつれ実は…が明らかになる顛末も、ケリーが交渉上手だから成せる業。ケリーがいなかったらアポロ11号は打ち切りだったのかもしれない。
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⑫怪談晩餐
①ディンドンチャレンジ
②四足獣
③ジャックポット
④入居者専用ジム
⑤リハビリ
⑥モッパン
⑥作品からなるショートオムニバス構成の映画で、有料パンフレットの販売はない。
与えられた尺が短いゆえにどうしても構成上何故何故が生じるのは致し方ないが短いからこそ逆によく纏めた印象。
私個人的には入居者専用ジムが印象的だった。
閉鎖時間の22時を過ぎてマンション内のジムでトレーニングをやっていたら…という話。
どう考えても人災。そりゃあお化け出るよね。
事故物件になりたくないからって事故があったことを隠す。家賃はそのまんまでジム室は閉鎖されず、まるで制限時間を守らない人が悪いかのような管理組合の対応が続く中、そして再び事故が起きてしまうエンド。
ディンドンチャレンジは魔を呼び込むダンスになって関わった人が次々と亡くなる。
四足獣は医者ファミリーの主人公が医学部に進学したいが成績が不足していて、打破したい術として実施したのが…という話。
ジャックポットは人間不信強めな主人公が安いモーテルで強盗にあい自らの命よりも最後まで自分の金だけは死守するド根性の話。
リハビリは脳死状態の消防士がリハビリ中に体験した恐怖を描いている。
モッパンは大食い配信者の悲劇。よく食べるなあが所詮は自分の体を痛めるぐらいならやめたほうがという内容。そのために手術までして大食いになる必要があるのかバズリを風刺したストーリーだった。
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⑬あのコはだぁれ?
無料鑑賞券で鑑賞してきた。
ストーリー構成は良かった。
何故何故が増えるだけ伏線回収できないままエンドロールという展開が多かった清水氏の作品。
そのために迷作が続いていたが、前作のミンナのウタでさなという伽椰子に代わる新たなホラーヒロインを生み出すことに成功。
今回はさなの何故何故に迫る内容。
ストーリーは良いけどやはりリアリティが、特に茂美ちゃんを助けるシーン、助けられなかったことを悔いるシーンの同級生のその後がうーん。
中学生の子を持つ母親となるも懺悔のざの字も見えてこなかった。悪怯れる、悔やむ等感情がわからない。
幸せに暮らしてはいるが心の奥底で隠しきれない秘密があるってのがないから、ホラーじゃなくなってる。演出が宜しくない印象、芝居感丸出し。
怖さはゼロで終了。
サスペンスのほんのりホラー風味。
最近のJホラーはリアリティがない気がする。
洋モノならば、憑依したのかそれとも精神病なのか見分けつかないぐらいに見た目も精神的にもやつれ、態度も話す内容も落ち着きがなく、支離滅裂になるのがリアル。
現実にありそうがなく何処かトラブルを抱えても美化意識が強いのか演者を綺麗に見せようとする傾向を感じてしまうんだよなあ〜。
オファーを引き受け出演するからには綺麗に映してくれという事務所側の意図だろうか?
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⑭越境者たち
ハラハラ・ドキドキ感が凄かった!
当作品の有料パンフレットの販売はない。
サスペンス・スリラーと言われたら納得のいくとても面白い作品だった。
夫を探すために国を逃れ難民になったチェレーと、リハビリを兼ねて週末山籠りをしようとしたサミュエルがチェレーを亡命目的の密入国者だと分かりながらもチェレーのことを見捨てられず越境の手助けをしてしまう話。
最初は警察の取締から辛うじて逃れたチェレーの目についたのがアルプスで、乗り越えたら…という軽い考えで登山をしたのかと思いきやストーリーの展開が進むにつれ、チェレーは亡命目的のために密入国者したこと、あのときの警察の取締は密入国者が目的だったのかと気づく。
サミュエルの山狩の仲間が、サミュエルが密入国者のチェレーといるのを目撃しているために通報しようとあの手この手で追いかけられる目に遭う。
事故後の後遺症で片足を引きずりながら歩くサミュエルをチェレーがサポートしながら山道を越境する姿が迫力満点。ラストは非常に印象に残る展開だった!ぜひオススメしたい作品だ。
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いかがだっただろうか?
今後NetflixやらU-NEXT、Amazonプライムビデオで配信される可能性もあるので、気になる作品がもしあれば、是非参考にして貰いたい。
いやーしかし清水氏作品は何度も見たがホラー演出はお化け屋敷とかやらせたら天下一品だろうけど、映画においてはゾクゾクがあっても顛末が読めるから、恐怖?となってしまう。これは、今の私がホラー映画に対する耐性があるためなのか。
ぶっちゃけた話、小学生のころに中田秀夫監督のリングも見たけど貞子がブラウン管テレビから登場するシーンは悪いけど何が怖い?って思った。
それは、清水氏作品の呪怨でもそう。伽椰子をはじめて見たときにフリードキン監督のエクソシストのリーガンを真似ているのは一目瞭然だったから。
エクソシストは子供のときにテレビ放映されていたのを見てめっちゃ怖くって一度見てからずっとホラーが怖いって思えるようになって二度と見ることはないと思ったが大人になり改めてエクソシストを見ると違う感動があってしみじみしてしまう。
最近上映されたエクソシスト/信じる者もラストは感動的なのでぜひこちらの作品も見て貰いたい。
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Amazonプライムビデオで配信されている映画の鑑賞レビュー
①アンダー・ユア・ベッド(2019)
"三井君、三井君"
存在感が薄く親からも車にいたことすら忘れてしまったいわれるほど、幽霊のような存在だった三井君に希望の光が見えたのは佐々木さんとの授業中でのトラブルを機に助けて貰えたからだろう。
今までずっと名前すら呼んでもらえない。
卒業アルバムの全員集合の写真にいないことすら誰も気づいてもらえない。
そんな悩みを抱えた主人公だったから、名前を呼んでもらえたことで改めて自身の存在を認めてもらえたことが次第に彼女への一方的な愛へと変わる。彼女が大好きだったマンデリンのコーヒーをごちそうした、それだけが三井君が佐々木さんと過ごした唯一の思い出だったが、グッピーの水槽は受け取れないと連絡を彼女から貰ったのが最後のやり取りになってしまった。
30歳になった三井君。
ふとエレベーターの中で佐々木さんが付けていた百合の香水の香りを思い浮かべながら彼女がいまどうしているか気になり交信所に問い合わせ、すると彼女は24歳の頃に5歳年上の地方公務員と結婚していた。
書類に書いてある住所を訪ねたらなかなかの豪邸に最近生まれたばかりの赤ちゃんの世話に忙しく過ごしていたが、三井君が見た佐々木さんの最後の姿と打って変わって身形が変わりすぎていた。
まるで魂の抜け殻のような彼女に愕然とし、何があったのか近くに空きテナントを探し熱帯魚店をオープンすることにし、彼女の家を眺めることができる3階から覗き見開始。
暫く覗いているうちに彼女の旦那が暴力を振るっているのを見てしまう。彼女を助けたかったのか見て見ぬふりはできないと考え盗聴器をつけるようになる。やがて彼女は盗聴されていることに気づき呼びかける、助けてと。
三井君が背後から旦那の首にスタンガンをあて気絶させると、ラストは首を絞め殺害。彼女にはもう三井君すら記憶になく自ら交番へ出向き出頭すると、彼女が現れた。
思い出した、と。
佐々木さんが三井君を思い出したところでエンド。
そもそも佐々木さんの旦那さん。
職業が地方公務員であんな豪邸建てられる?
因みに地方公務員とは以下の職業をさす。
★県庁や市役所の職員、警察官、消防官★
自衛官は特別職の国家公務員になるので違う。
相当血税を食ってるか脱税してるか。
甚だ疑問。儲かる仕事じゃない。
韓国版のも見たが、こちらのほうが旦那の職業がこれなら豪邸に住めるよね~という病院の院長だったが、日本版はちと旦那の闇が根深い。多分儲かる副業やってるなあ。護身術になる柔道の技にも手慣れている様子から警察関係者かと思われる。
設定間違えていないかと思いながら見てしまった。
多分あの当時、地方公務員と結婚したら安泰だ〜っていう考えのころじゃなかろうか。
何せ、警察官って死ぬリスク高い仕事だから、収入の殆どは保険料で消えちゃうよ。警官で働く大方は保険に入っているけど、警官、自衛官、消防官といった常に危険と隣り合わせのため殉職する可能性が高いリスキーな職業になればなるほど高くなる。辞めて、保険料が違って安くなったことに感動したとは、元自衛官からよく聞かされた話だΣ(´∀`;)
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