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「続く、イエローマジック」感想
活字すらまともに読めない俺が、久しぶりに本を読了した。エッセイ集だけど。以前の記事でも紹介書いたかな。ミュージシャンの高野寛さんが書いた「続く、イエローマジック」。すんなりと読める、優しい文体でした。
高野寛さんのnote
この本は高野さんの半生を綴った自伝みたいなもの。俺の中では高野さんは高橋幸宏さんの一番弟子という認識だったんだけど、知った時点ではそこまで掘り下げることもせず、YMOファミリーの中では俺が注目するのが一番遅かった人とも言える。幸宏さんの弟子で何でギタリストなんだろうって疑問に思ったんだろうな、おそらく。
本の中でも出てくる「土曜ソリトン SIDE-B」は、俺が高校生の頃だったかな。見ていた記憶はあるが、あくまでYMO関係の情報収集というだけで(当時の俺は本当に興味の幅が狭かった)、高野さん個人にまでその興味が向かなかった。あと、当時はネット環境が存在しなかったので、雑誌や書籍を探す以外の情報入手方法がなかったってのもある。
俺が初めて高野さんの曲、アルバムを買ったのは、30過ぎてから。ちょうど俺がリオ五輪に行きたくてブラジルに興味を持ち始めた頃、リオで録音されたアルバム「TRIO」が発売され、それを買ったのが最初。このアルバムはマジで音が良い。クリアというよりは纏った空気感がいいって感じ。
この本ではデビュー前からデビューまでの経緯、ある種シンデレラボーイ的な幸運を掴みながら40年近くに渡り音楽家業を続けてこられた流れなどが綴られている。幸運と書くと実力がないように捉えられるかもしれないがそんな事はなく、むしろ光るものがない人間は絶対生き残れなかった、競争の激しかった時代を生き延びた強さも見て取れた。
俺の感想としては、高野さんには職人気質的な頑固さも見える一方、時に自分が乗ってる波、潮流に身を任せようという柔軟さも持ち合わせていて、それが彼の強みなのかなと思った。あと、俺はYMO関連の情報を調べる際、メンバー本人たちの証言や著作からも情報を得るんだけど、周辺の人たちの出す一次情報ももっと欲しいなと思ってて。そういう意味で今回の内容は非常に興味深く読ませてもらった。
メンバー本人だと細野御大の著作が多く、教授も著作があるけど、幸宏さん周囲の情報ってあんま無かった気がするので(リアルタイムでの発信はそんなに追えてません)、尚のこと面白く感じられたのかも。ま、直系のYMOチルドレンで著述出来そうなのが高野さんぐらいしかいないので、他の人たちからはあんま出てこないだろうね。