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ヤバい不登校ビジネスの見分け方

 夏休みのこの時期、子どもの不登校に悩む保護者のかたは、毎日「今日も行けなかったのか…」と思ってしまう必要がなく、少し落ち着いた日々を送っていらっしゃるでしょうか。
 とはいえお盆に実家に帰れば「親になんて話したものか」「親戚の子は普通に学校に行っているのに」と気が重くなったり、盆休みが終わればもうすぐ二学期が始まってしまうという焦りに、じりじりと身を焼かれるような思いで過ごしておられる方も多いかもしれません。

 そんな悩みや不安、心の隙間に入り込む“つけこみ商法”は、残念ながら不登校界隈にも存在します。その子のことを大切に思うからこそ、悩み、苦しみ、焦ったり不安にさいなまれている人につけ込んで、法外な金額を吹っかけるようなビジネスに「てめえらの血は何色だ!」と心底むかっ腹を立てています。

 なので今回は私がヤバいと感じる不登校ビジネスはどういうものか、そのポイントについて述べてみたいと思います。あくまで個人的な意見ですが、なにかの拍子にふと思い出していただければ嬉しいです。

①「〇日で学校に行けるように!」
 ひとりひとり違った子ども、保護者、その関係性をひとくくりにして、「これをすれば〇日で解決」といった効果だけを強調してくるもの。
 多様な人間関係があるなか、誰にでも効く万能薬と、これだけ飲めばすぐに効く特効薬なんてないことは、誰しもこれまでの人生で学んでいますよね。
 それでもこういった言葉にふらりと引き寄せられてしまうのは、心が揺れている証拠ではでいでしょうか(とはいえ気持ちが揺れるなんて当たり前ですよね…ゆるせん)。
 

②「○○ではもう遅い」「今からでも間に合う」
 決断を焦らせるものには、十分に警戒してほしいと思います。本当に素晴らしいメソッドなら、考えてから決めても間に合います。冷静さを失わせるのが目的では?と、いったん引いてみてください(卑怯者めー)。

③「診断は無料です」
 決断を焦らせるのと同じく、初めだけ無料鑑定で相談に応じるのは、つけこみ商法の王道です。これで「ご先祖様の祟り」とか言われたら、ぜったい違うと思っても気分の悪いものです。ていうかそうまで言われたらむしろ気がつきやすいですが、点検商法のように、「ここまで進んでしまったら大変です」などと煽ってきたら、つけこみ商法警戒アラートを発動させてください。

④「そのカウンセラーの言っていることはクソですね」
 クソなんて品のない言いかたはしないと思いますが(すみません腹立ちのあまり、つい地が出てしまいました)、他の支援者をディスって引き離そうとする人のことを、信用しないほうがいいと思います。あなたを孤立させようとしてくる奴にロクな奴はいません。警戒アラート<厳重注意>レベルです。


⑤金額が家計と見合わないもの
 年収が5億円あるなら気にしなくてもいいのかもしれませんが、そんなご家庭は人口の何%でしょうか。
 インターネットでの購入は、特定商取引法上の通信販売に該当しクーリング・オフ制度が設けられていないそうです。サービス内容が合わず途中でやめた場合でも費用は戻ってこないので、十分に検討してくさいね。
 HPに費用が記載されていないところもあるようで、金額の書いてない商品やサービスは、より慎重に判断したほうが良さそうです。
 こういうところは「初回無料」で顧客をおびき寄せているので、無料診断を受ける前に、いくら以上はNGなのか、決めておくといいかもしれません。


⑥「大人は子どもよりえらい」
 そういったものの中で、特に私が問題があると思っているのが「キチンと親が指導してあげましょう」メソッドです。
 家父長的な家族のイメージを引きずったままだと、なんとなくこれも悪くないような気がして、「やっぱり強く言ってあげることも躾けのうちかなあ…」と考えてしまうかもしれません。
 子どもは親と同じ、ひとりの人間です。上も下もありません。対等な人間同士です。物理的な条件はあるにせよ、自分のことは自分で決めたいと言っているときにそれを認めなければ、その人の人生は自分のものになりません。その子に代わって生きていってあげることは、どんなにその子を愛していても、できない相談なんですから。
 ”指導”を強行すればある程度まで子どもは抵抗するでしょうが、そのうちに「何を言ってもムダだ」と考え、行きたくないという思いを封じ込めるしかなくなり、学習性無力感に陥りかねません。
 大人はそのとき果たしてその子の人生に、どのように責任を取るのでしょうか。
 登校を強制する経験は、不登校児を持つ親なら一度は通る道でしょう。しない方がいいと私は思いますが、大人だって人間ですから動揺して間違えることもあると思っています。
 でも仕事として、支援と銘打ってそれを進めるのはアウトです。子どもの人権を侵害する支援は、支援ではありません。
 学校へ行けと子どもを引っ張っていく、一方的にゲームやスマホを取り上げるなどといった行為は人権侵害なのです。やってしまったことのある方も、そうしているとき本当はつらかったのではありませんか? こんなことしてていいのかなと疑問を抱いたことのない人なんているのでしょうか。追いつめられて、子どものためにと自分を納得させて、苦しみながらそうするしかなかったのではないですか? 
 その気持ちに寄り添うことなく、ますます親や子どもを追いつめる”支援団体”を支援団体と呼ぶことはできません。<危険>ですので身を守る行動をとってください。
 


⑦「正しい接し方はこれだ!」
 正しい不登校の子への接し方とか、正しい親子のあり方を押しつけてくるところは、不登校ビジネスじゃなくても警戒警報<危険>レベルです。
 人間関係における正しさなんて、相手を尊重すること以外になんかあるのでしょうか? 子どもだって大人と同じ人間です。尊重するとワガママになると考えているなら、尊重の意味をはき違えているだけかと思います。相手の言うことを何でもきくことが尊重ではないのですから。
 こういうことを自分で考えさせず、あちらに正しさの判断を明け渡させるようなところは、やっぱりどうかと思います。今すぐ安全な場所へ逃げてください。



 こういった情報の中にも何かしら役に立つ部分はあるのかもしれません。
 しかしそもそも不登校の子どもたちへの支援は、「学校に戻すことが目的ではない」と文科省が言っているのです。不登校支援の目的とは、その子が社会的に自立できるようにサポートすることなはず。
 なので「学校に戻れる」ことを謳っているような”支援”は、もともと支援などではなく、ただのビジネスです。金額にも納得し、役立つ部分だけをうまく抽出して活用できるのならいいのかもしれませんが、個人的には、ホントにもう!人の弱みにつけこむなよ!!!!と思います。
 みなさまどうかご参考になさってください。


【イベントのお知らせ】
トークイベント<今日楽しくはみ出してます>
8月16日(金)20:05~21:55 ZOOMでのオンラインお話し会
参加費 2000円
定員 23人
小学校の6年間を書いた『学校が合わなかったので、小学校の6年間プレーパークに通ってみました』から、変化し続ける(?)私たち家族のいまも、お伝え出来たらな~と思っています。

①申し込みはhttps://forms.gle/TAdPYySEjakDZoQt5から。
②お申し込み後、振り込み先をお伝えします。
③参加費2000円の振り込みがあったのち、zoomのリンクをお伝えします。

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