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時の移ろい 季節の行事  

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地域の伝統行事や厚洋さんと一緒にやった季節の行事。 そして、移ろっていく美しい自然、愛しい人の愛した我が家の花達の代わりに語りたい
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2022年12月の記事一覧

年の瀬 季節感

年の瀬 季節感

 数年前までは、クリスマスが終わると途端にお正月用品が並ぶ食品コーナーだったが、最近では、お節料理の数の子・蒲鉾・田作り・昆布巻きなんて隣にサンタさんの乗ったケーキやピザ・チキン・シャンパンが並んでいる。
 コロナ禍やウクライナ侵攻の影響で小さな街のスーパーは全ての行事食を並列開催しているのだろう。
 食品売り場で季節感を感じる時代は終わったのかもしれない。
 毎日、真愛の手作りで晩酌を楽しんでく

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地域行事の消滅

地域行事の消滅

 厚洋さんが飲み屋さんの隣に座っていた人から買って来たこの土地。
「真愛。
 俺さ、土地買ってきた。
 山ん中だぞ!」
「あらそう!
 安かったのね。」
 グデングデンに酔っ払って帰って来た厚洋さんが上機嫌で話してくれた。真愛は、お酒の勢いでなんかの約束をして来たのだろうと、気にも留めなかった。
 翌朝。
「俺の買った土地を見に行くぞ!」
と車に乗せられ、辿り着いたのがこの土地である。
 前夜降っ

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Christmas Eve

Christmas Eve

 56年前のChristmas Eveも土曜日だったはずだ。貧しくってクリスマスプレゼントなんてもらえない小学生だった。
 肌は鮫肌で貧しいとなると、「いじめ」の対象になる。同級生の男子や先輩女子から虐められた。言葉の虐めも暴力的な虐めも…。
   一人で兄・私を育ててくれている母に愚痴を言う事は絶対にできなかった。
 そんな年のChristmas Eveの日に、「buttercreamの Chr

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冬至当日

冬至当日

 冷たい雨がベッドから出る気を無くさせる。
 冷めてきた湯たんぽを抱きしめて、
「あゝ。今朝も目覚めちゃった。
 まだ、生かされてるんだから、起きて
 何か、しなくちゃあーいけない。」
と自分に言い聞かせるように声を出す。

 昨日は、厚洋さんの教え子Mちゃんの美容室に行った。
 久々に髪の手入れが出来たので何だか興奮したのだろうか。
 久々に厚洋さんの話を人と話したので嬉しかったのだろうか。
 

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年末年金支給日

年末年金支給日

 12月15日。
 今日は、やけに爺さん婆さんが街に溢れていた。年末の年金支給日だからだと思う。
 学校はまだ授業があるので、日中には子どもは現れていない。
 9月の敬老の日より、この12月15日を老人の日にした方が良さそうなくらいだった。

 天然酵母で作るサルタナレーズンパンが焼き上がる13:00にパン屋さんの駐車場に入った。
 入り口正面にドーンと停めてる車があったので、仕方がなく左端の出口

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