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素数日

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いつの頃からか覚えていないが、厚洋さんが逝ってからの日数を数えるようになった。このnoteをを始めたのは、一年以上経ってからのこと。 命日だけではなく、記念日も思い出していたが、…
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2022年12月の記事一覧

竹が奏でる

竹が奏でる

「竹が奏でる」と検索すると、「竹笛」「笙」
「尺八」などの楽器の画像が現れる。
 竹自身が光と風とともに奏でる音楽は、竹林に一人で降り立たなくてはなかなか感じられない。
 いにしえ人が竹から新たな音を生み出したのは、あの節があってその節の中が空洞になってるいたからで、木しか存在しなかったら…。
 空しさも豊かさも持ち合わせた竹が存在したことによって、真愛は今日、また素晴らしいものと巡り合うことがで

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亡き人と繋がる

亡き人と繋がる

 「毎日が発見」という雑誌に、哲学者の岸見一郎さんが【生活の哲学】というコーナーで、「生き方」とか「考え方」を提示してくださる。
 厚洋さんも哲学者みたいな事をよく話す人だったので、彼が元気なうちから、岸見さんの受け売りを話すと
「お前もやっと人間らしい考え方が
 出来てきたな?
 帰納法から導いた演繹法で説得できてる
 じゃないか?」
なんて、訳のわからない事を言って褒めてくれた。
 今回も素晴

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愛しい人の靴 👞👞

愛しい人の靴 👞👞

 逝ってしまった愛しい人の物が捨てられない。四十九日までは、彼の匂いを犬のように嗅ぎ回っていた。
 当然、彼のパジャマを着て寝た。
が、使って洗えば彼の匂いは消えてしまう。
 切なかった。
 聞こえなくなった彼の声。
 見る顔は写真だけ。
 撫でてくれる彼の手は無い。
 彼の匂いが消えていく。
 どうやって、彼の存在を実感しようか悩んだ結果は、
「やっぱり、匂いが無くなっても使う事だ。」 
 彼の

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