見出し画像

退職を「縁の切れ目」と捉えること、もうやめませんか?

会社って、何だろう。

先日、大手企業の人事責任者と話をしていたとき、こんな言葉を聞きました。
「今の若手は、いつか別の場所で活躍することを前提に、この会社で経験を積んで成長したいと考えている。個人のキャリアを考えれば歓迎すべきことと頭ではわかっていても、実際に優秀な人材に出ていかれると、会社としては痛手になる」

正直な本音だと思います。
でも、考えてみれば、それは私たちが「退職する=縁が切れる」と捉えているからなのかもしれません。
だから「人材の流出」を恐れる。

ですが最近、そんな価値観が少しずつ変わってきています。

会社の輪郭が溶けはじめている

最近、このような動きを見かけませんか?
・転職した人が業務委託として前の会社に関わり続ける
・数年後に別の場所で経験を積んで元の会社に戻ってくる

会社と人との関係が、昔より随分と自由になってきている。そんな風に思います。

昔なら警戒していた「人の動き」を受け入れる企業が増えてきた

ちなみに厚生労働省は、2016年に『働き方の未来2035』で、こんな表現をしていました。

企業に所属する期間の長短や雇用保障の有無等によって「正社員」や「非正規社員」と区分することは意味を持たなくなる。

厚生労働省『働き方の未来2035』

その予測から9年、今まさにその変化が現実のものとなりつつあります。

例えば、
・大手メーカーでキャリアを積んだエンジニアが、スタートアップの技術顧問として関わりながら、元の会社でも業務委託として開発支援を続ける
・ベンチャー企業で事業経験を積んだ若手が、より大きな組織で経営企画としてキャリアを伸ばそうとする

1つの会社でずっとキャリアを積むのが当たり前の時代なら「人材の流出」と警戒されたはずのこうした動きを、今はむしろ積極的に受け入れる会社が増えてきています。

これから、会社は「拡張」していく

そんな風に考えると、
「会社って、どこからどこまでのことを言うのだろう?」
という問いに行き着きます。

社員証を持っている人だけが会社の一員なのか。
業務委託で関わる人は、外部の人なのか。
転職した「元」社員は、本当に「元」なのか。

もしかすると、今後会社は、その輪郭を曖昧にしながら拡張していくのではないか?
そんな考えのもと、これからの会社の姿を図にしてみました。


これからの会社のあり方

最も会社への関わり方が深いのが、正社員としてフルタイムで働く人。
次いで、業務委託や副業の形で、部分的な仕事を担う形で携わる人。
そして、現時点での接点は薄いものの、過去に関係(所属)していた/未来に関係(所属)する可能性がある関係人口の人たち。

これまでの会社は、「正社員」という境界線の内部に囲い込むのが定石でした。
しかし今後、関係人口まで含めた大きな円を「会社」として捉える会社が、もっと自由で豊かな可能性を生み出していくのではないでしょうか。

「会社」の定義が見直される未来に

「退職=縁の切れ目」ではなく、新しい関係の始まりと考える。
境界線を柔軟に捉え、多様なスタイルで多様な人たちと関わり続けられる「懐の深さ」がある。
人々が行き交い、つながり、互いに高め合える「場」として機能する。

労働人口の減少をはじめ、多くの社会課題を抱える日本社会においては、そんな会社が増えていくのではないかと考えています。

アルムナスではそんな新しい関係をつくりたい企業の皆さまに寄り添い、各社ごとに最適なサポートをさせていただいております。
この記事を読んで気になった方、ピンときた方はぜひ、お気軽にご相談ください🍆


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集