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酒と我が子と育休を語る。

つい先日、我が子が生まれてから2か月を迎えた。実に感慨深いことであり、この記念すべき節目を無事に迎えられたことに改めて感謝したい。
神様、ありがとうございます。

いや、待て。古より神事において酒はセットと決まっている。酒もなしに神様にお礼申し上げるのは失礼ではないか?
(熟考の末)では仕方ない。妊娠から(私は妻の妊娠後期から)今日まで酒を断っていた我々は、神聖なるしきたりに従うべく、ついに酒を解禁することにした。
無論、私と妻が無類の酒好きであることは、単なる偶然である。酒を飲むための口実では決してない。

ごくり。乾ききった喉と胃袋にゆっくりと麦酒を流し込む・・・至高である。麦の芳醇な香りが身体中に満ちていくのを感じながら、束の間の幸福に浸る。
「1本だけ」と言って飲んだはずが「あともう1本だけ」となり、最終的にウイスキーまで嗜んでしまった。しかしこれも神様へ感謝を示すためなら仕方あるまい。
ちなみに、私は怪しげな宗教の敬虔な信者などではない。念のため申し添えておこう。

こうして夫婦で酒を飲んだのはいつぶりだろうか。子が生まれてから、当たり前に「父」と「母」として時間を過ごしてきたが、ゆっくりと酒を飲みながら話す時間は、久々に「夫婦」に戻れた瞬間だったように思う。
贅沢なときを楽しんだ翌日、妻はしっかりと二日酔いになっていた。我が子よ、妻は、人間の欲深さというものを身をもって教えてくれたのだ。感謝しよう。

さて、我が子の話に戻そう。
最近の我が子といえば、それはもう恐ろしい速度で成長を遂げているため、是非紹介したい。

まず、目で見える範囲が広がった。1か月を過ぎた頃から動くものを目で追うようになったが、2か月が経ち、これまでより遠くのものも見えるようになり、自ら周りのものを見ようとする反応が多くなったと感じる。
私がヘルニアで痛めた腰に手を当て死んだ魚の目をしながらよぼよぼと歩いている姿も、もしかしたら見られているかもしれない。まったく気が抜けないものだ。

次に、身体のあらゆる動きが活発になった。自分の力で首を持ち上げるし、縦抱きしているときには力強く足で私の身体を蹴りながらグングンとよじ登ってくる。その軽快な動きと体幹の強靭さたるや凄まじいものだ。近い将来、雑技団かシルクドゥソレイユに入団して稀代の新人として活躍することだろう。

そして一番の変化は、言葉(のようなもの)をたくさん口にするようになったことだ。くぅーん、ひゃーい、えやぁーお、のような感じで次々に可愛らしい言葉を繰り出してくる。こんな言葉で喋りかけられたら、その愛くるしさにめまいを起こし、立っているのがやっとだ。父のハート、鷲掴みである。

朝、妻がまだ寝ているときに寝室から我が子を連れ出し、リビングで2人きりになる。愛しい我が子の笑顔と声を独り占めにする時間だ。このときばかりは私も照れを忘れ、全力でにやけるのだ。驚くスピードで日々成長してしまう我が子に少し寂しさを覚えながらも、今このときを精一杯噛み締める。
育休を取らなければ、こんな時間を過ごすこともできなかっただろうと思うと、本当によかったと思う。

もし、この時代にまだ「男は育児より仕事を優先すべきだ」などとぬかす輩がいたら、私は全身全霊で鉄槌を下したい。
子どもと過ごす尊い時間を当たり前に大切にできる世の中が、皆にとって幸せなはずだからだ。

詰まるところ何が言いたいかというと、世のプレパパ諸君、もし育休を取れる状況にあるなら、是非とも育休を取ってほしい。そして世の上司諸君、もし部下が育休を取りたいと言ったら、気持ちよく取らせてあげてほしい。という話である。

育休取得に逡巡を巡らす全ての人に、このブログが僅かでも一助となることを願う!

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