今の気分は断然、「ネオジオ」な理由。
みなさん、ネオジオって知っていますか?
ゲーム機ではないすよw
ネオジオとは
「流用」することでオリジナルを超えることを目的とした美術の動向です。つまり本来であれば、美術において邪道とされるコピーや模倣を、表現の手段として用いたアートなのです。
es échoppeのファッション活動はまさにネオジオなんです。
2000年以後、革新的なファッションの価値観は登場していません。
ビッグシルエットは90年代、キャラクターデザインは80年代、ブーツカットは70年代。
今はリバイバルばかりが目立ちます。みんなパタゴニアかノースフェイスのロゴをアイコンにして、ユニクロかGUの服で同じ姿をする人民服系。そのアンチテーゼなのか、個性をもとめ一点ものを探す古着ブームに市場が大きく流れていきました。
これから古いもの、過去の遺産の価値はどんどん上がっていくと思います。
この背景には未来ばかりを語る時代に閉塞感はあるのではないか?と感じています。SDGs的な文脈への抵抗感、より良い未来にしなくてはいけないんだけど一方で理想との葛藤、解決策が見えない現実に疲弊する。
そんな時に、ふと過去に目を向けて休憩をとるような感覚でしょうか。
若い世代には文化的クリエイティブの渇望があるのでは?と推測します。
実際に私が出会う若者たちは、お洒落の概念を知りたいとか服の知識を教えて欲しいとかよく言われます。ファッションの価値観や歴史、思想哲学に非常に関心が高いです。
どんどんクリエイティブをしていきたいところですが様々なファッション様式が出尽くした感のある今、常に新たなオリジナリティを生み出し続けるけことは難しい。だったら今あるオリジナルのもの(服・サービス)活かし時には「流用」すればいいと思います。既存の概念以上の価値を発揮することができれば、そもそものオリジナル自体の価値も更に活かせると考えています。
その様な活動の基盤として機能する。
es échoppeはエシカルファッションのプラットフォームになりたいのです。
ファッション界の構造改革をします。
環境課題に対しての対策が素材開発ばかりにかなってると感じます。業界にない新しいビジネスモデル構築し小売を通じて消費者の行動変容を促すこと。
再ポリの服を大量に作っていいわけもなく。
土に帰る服ならば捨てればいいわけでもなく。
じゃあどうしようか?と考えたとき。
アパレル産業とファッション界に分けて課題を考えてみました。
生産者はアパレルの産業改革です。
従来の流通構造を変え物流量を改善する
生産者のエコロジー素材などの商品開発
などなど
消費者はファッションの意識改革です。
サスティナブルな価値のマインドセット消費者へのエシカルな概念の認知浸透
などなど
同時に改革に進む必要がありますが、役割も対象も生産者と消費者とでは異なります。アパレルは産業改革であり、ファッションは意識改革です。
SDGsでも項目に挙げられています。
加えてもう一つ役割があると思います。私たち小売業者の役割です。
私たち販売員ができることがあるのではないでしょうか。
歴史的にファッションは革命の連続です。しかしそれは大衆と生産者が作り上げてきた歴史。これからは売り手、売り場が起こす革命があっていい。私が知る小売の革命はセレクトショップ登場ぐらいではないでしょうか?
生産者と消費者のどちらも知っている小売店だけができることがあるはず。販売員が創る、ファッション文化が必要だと考えています。
古い物の価値は上がっていくと先述しましたが、小売店のファッションの価値創造は視点です。専門的知見をつけた販売員はみんな自分の目を持っています。
販売員の目。
販売員が大局観的な視点で、ファッションを再編集するんです。
販売員の目とは
お客様も気づかないニーズを見つめる目。
生産者も気づかない服の価値を見出す目。
現場の最前線にいる販売員こそ大局観的な視点で、ファッションを再編集するんです。ファッションの専門的知見を通じて、お客様も気づかない真のニーズ(お困りごと)を解決する。
私の考える理想の販売員は主観や情報ばかりを押しつけるのではありません。ファッションをこよなく愛すがゆえの専門性とお客様のことを考えるのが大好きなホスピタリティを持ち合わせた人。
お客様の声を聞いて課題と解決策を見出す。
私は町医者のように診断するイメージを持っています。新しい技術ばかり処方しなくても実はいまある服を活かしながら少し工夫するだけで新しく感じる服の着方ができると思います。
例えば、その選択肢のひとつが古着なのかもしれません。es échoppeでは古着を使った再構築のオリジナルブランド、Alternaがあります。また古着を染め直すAlterna projectもあります。
セレクトショップに新品と古着が同時に自社の古着が並びます。自社商品のリセール、買取り保証もしています。
夏物冬物なんて誰が決めたのでしょうかw
セールもしません、春夏、秋冬のシーズン販売もしません。
バイヤーも商品企画もプレスも不用、販売員が主導で買い付けする、お客様と対峙する販売員が1番の私たちの資源です。店舗主導の運営をイメージを描いています。
エシカルに関心が低い世代の意識改革をしたいので、メンズの30代40代を対象に買い付けしていますが、もちろん女性の方や他の年代の方にも自由にes échoppeを利用していただきたい。
ブランディングも何もないのかもw
そうした柔軟な目でもう一度、業界やファッションの在り方を見直そうと思っています。
まだまだ小さな改革ばかりですが大量消費、大量廃棄に繋がる様なアパレル産業の慣習は全てぶち壊していきます。今後は染め直しなど含めたリペアの窓口も作りたい、オーダーシステムも構築したい。
理想は膨らむばかりです。
次の世代にこのままの状態のアパレル産業を渡すわけにいかない。とは思いませんか?
世代交代と言いながら、若者に未来を押しつけるのはどうでしょうか?
誰かに贈るモノは、少しでも良いものを渡したいと思いますよね?
今の状況を作ったの私たち世代です。おじさんの役割がまだありそうです。
自分が生まれた時よりよい社会へ。
私がこの歳で起業する理由でもあります。
es échoppeは地場産業×エシカルファッションを通じてサスティナブルなアパレルのプラットフォームをクリエイティブしていきます。
es échoppeは服を使い捨てない社会を目指しています。うみの図書館の漂流図書の取り組みに共感しています。貸し出し期間が2年間など漂流図書はまさに本が循環する仕組みです。
選書いただいた本はマールコサカ「すこやなか服」
ぴったりの本です。健康な消費を目指していきます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?