SaaSスタートアップ交流会 Vol.3 カミナシ・CS編
前回のSales編に引き続き、現場改善プラットフォーム「カミナシ」を提供している株式会社カミナシさんとの交流会の内容をお届けします!今回はカスタマーサクセスに関して情報交換しています。
※本記事は2021年2月に実施した交流会内容を記事化したものです。
組織構成など現在の情報とは異なる場合がございます。
導入はステップを区切り、小さなサクセスを積み重ねていく
アルプ(以下、A)岡部:セールスに続いて、次はカスタマーサクセスのお話ですね。まずお伺いしたいんですが、カミナシさんの導入は1プロジェクトどのくらいの期間をかけて行われているんでしょうか?
カミナシ(以下、K)河内:この2か月は、2~3ヵ月・打ち合わせ7回で稼働するプログラムを組んで導入していますね。
A毛利:あ、もうそういう設計になってるんですね!
K河内:そうですね。ただ、うちの場合お客さんの8割はSMB、2割がエンタープライズやエンタープライズの中でもかなり大きい企業という構成なんですが、お客さんの規模によってセールス・CSともにやり方が変わっているのは課題ではあります。
A坂口:7回の打ち合わせはどのように設定されているんですか?
K松下:まずはキックオフで、今後どういうことをやっていきますというのを全て説明します。あとは役割分担を確認することが大事だと思っていて、プロジェクトオーナーが誰なのか、実務のご担当が誰なのか、というのをすり合わせます。
2回目・3回目の打ち合わせは使い方のレクチャーですが、カミナシというプロダクトは最終的にお客さんが自身で帳票を作れるようにしないといけないので、打ち合わせの時に先方にどんどん宿題を出して、触ってもらえるようにしています。4回目以降は少しずつテストをしていきます。一気に様々な領域でお使いいただいてもいいのですが、それだと大変なので基本的にはスモールスタートでお試しいただいてますね。
A毛利:小さなサクセスを積み重ねるのは大事ですね。
スタートアップCSの壁、マニュアル整備への向き合い方
A毛利:あと課題としてはマニュアルの整備が追い付いていないというのがあるんですが、カミナシさんではどのようなツールを使われていますか?
K松下:今ちょうどマニュアル整備のプロジェクトの中で乗り換えを検討しています。チャットと連携させて、お客さんがチャットからマニュアルにアクセスしやすい状況を作りたいんです。
K河内:あとはloomを使った動画マニュアルもやってるよね。
K松下:loomもあるんですが、カミナシのユーザーはPCで動画を見ることになじみがない層も多いので、メインのツールとするかは悩みどころです。動画のほうが分かりやすいという面もあるとは思いますね。
A毛利:僕らは今Webにマニュアルを公開しているんですが、ハイタッチなサポートをしている結果逆にお客さんが自分でマニュアルにアクセスする動線を作れていない。これから改修しようと思いつつ、ツールや構成は迷っています。
A石田:各社とSlackの共有チャンネルを作っているので、そこで質問をいただくんですよね。スピード感があるのでサポートとしてはいいかもしれないけど、このままではスケールするのが難しそうかなという課題もある。
K河内:お客さんが自分で解決できる動線を作るのは難しいですよね。僕たちが今やっているプロジェクトも、100%自己解決してもらうというより、チャットサポートの負荷を下げられればと思って考えています。
製品ロードマップをどう作っていくのか
K河内:ここ1-2週間、顧客の利用率が増加しているんですが、それとともにどうしても不具合の発生率も上がってしまっています。プロダクト開発と既存機能の改修でどう連携を進めていこうというのが課題なんですが、御社の場合のトラブル対応の流れやロードマップの引き方について教えてください。
A毛利:僕らも月末や月初はお客さんの請求業務が多いので、そのタイミングでインシデントが一気に起こることはありますね。一次対応としてはSlackでご連絡して、社内でも開発者にすぐ共有して最優先で対応しています。あまりに不具合が多いと通常開発に影響が出てしまうので、いかに開発スピードを上げるか、いかに不具合を起こさないためにテストをするかというのは課題です。テストはAutifyを入れて自動化していますね。
K河内:CSがテストすることはありますか?
A毛利:ウォークスルーのテストは通常はやっていません。大きな機能の開発の時はCSもレビューに入ったりしますが、どうしてもお客さんが使って初めて発覚するエラーもありますね。それをゼロにするのは難しいので、エラーをどこまで減らすか、問題が発生したときにお客さんにいかにスムーズにご案内して業務を止めないようにできるかを考えています。
K河内:そうですよね。僕らもそこのバランスが難しいと思っています。
A毛利:ロードマップは今まさに取り組んでいます。今まではセールス・オンボーディングで出た要望を結構「お伺いした順」で作ってきてしまったところがあるんですが…
K河内:うちもありますね。
A毛利:それだと今後は厳しいので、将来像を書き出してロードマップ化する、という作業をしているところです。
K河内:VoCはどこかにためていってるんですか?
A毛利:お客さんからの要望をチケット化して入れる場所があるのと、どういう機能が必要か・どういう業務で利用するか、というのは全てドキュメント化しています。できるだけあるべき像から逆算して、整理して開発していけたらいいなと思っている。
A石田:CS観点で、お客さんの要望に沿った機能をリリースしている、お客さんの声を反映しやすいというのは強みである一方で、そこのバランスは考えていかないといけないですね。
K松下:要望をもらったら、具体的に社内でどう共有しているんですか?
A毛利:それがmore betterの要件なのか、稼働に必須の要件なのかを整理して、週1回開発陣とMTGしています。要件どうしの関連性や期日を加味した優先順位付けがかなり難しいので、オペレーションで代替できないか、スモールスタートにして稼働タイミングを相談できないか、といったコントロールはセールス・カスタマーサクセスの大きな役割ですね。
K河内:すみません長くなってしまいましたね。
A石田:とんでもないです、めちゃくちゃ勉強になりました。ありがとうございました。
A毛利:こういうセッションは他の会社さんともやっていこうと思ってますので、何かいい情報あったらまた共有します。ぜひまた打ち合わせさせてください。
終わりに
というわけで、こちらも非常に濃密な1時間となりました。
MTG回数までデザインされたオンボーディングプロセスというのが非常に印象的で、この交流会以降、アルプでは各MTGの目的を細かく定義して製品オンボーディングに取り組んでいます。
今後も他社のいい取り組みを積極的に取り入れ、よりお客様の満足度を上げていけるように精進していきたいと思います!
今回もお読みいただきありがとうございました。
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