質問される側になってみて、自分で自分にガッテン!
私はずっと「人に質問し、話を聞く側」だった。
いかに本音に近づき、聞き出し、本質を見出し、それをいかに届けるか、に腐心してきた。
そのために、時には辛辣な質問や、意表をつく質問を用意したり、時には相手が話しやすいような話題に振ったり。
人にはさんざんしてきたのに、考えてみれば、友人とのおしゃべり以外で、自分が質問される側になったことはほぼない。
そんな私が、noteで質問される側になった。
わかってはいたけど、端的に話すって難しい。ましてや自分のことを。
あれも言えてない、これも言えてないし。
お恥ずかしい。
自分にはダメ出しの反省ばかり。
それでも、私の長年のナゾが解明されたのだ。
このような機会をくれたKATAEさんには感謝!
裏側の見えないプロセスに隠れている本質
私は、肩書を一言で言いづらい。
自分でも何屋さんなのかわからない。こちらご参照までに。
ひとまず名刺には「プロデューサー」と書いておくものの、実際は、
一つの制作物やプロジェクトに対して、企画・立案、折衝、取材、執筆、撮影、ディレクション、マネジメントなど、多くの業務をやっていて、それを一言でスパッと表現するワードがないのが悩みの種。
わかりやすい「制作物」(作品名)や取材現場では、"ライター"と認識されがちだけど、私の中ではそれはほんの一部分。
一つの企画が立案から完成するまでのプロセスでは、実は目に見えていない業務や能力を使うことが多くて、そこは人からも認識されにくい。
そんな「人からは見えづらい経験」にKATAEさんは興味を持ってくれた。
私の中では「当たり前」になって無自覚になっていた部分でもある。
確かに、その裏側の見えないプロセスにこそ、その人の本質的な能力や価値、モチベーションとなる原点が隠れている。
そうじゃん!
これまで、私が多くの著名人へのインタビューから感じてきたことなのに、自分に対してはさっぱり鈍感になっていた。
「専門ジャンルがない」ことが弱みでナゾだった
私は、エンタメ界やスポーツ界をメインに携わってきたけど、たとえば映画専門でもないし、健康実用専門でもない、スポーツ専門でもない。
以前、『フラガール』の仕事の次にフィギュアスケートの仕事を始めたとき、「ハワイから氷まで」と自虐したこともあった。
あのジャーナリストの池上彰さんが、「専門性を持たないことは強みだ。ジャンルを横断的に超える力は、それぞれ応用力の幅につながる」と説かれていたのを聞いて、そうだ!と勇気百倍になったりしたけど…。
やっぱり、私のような無名者にとっては、専門ジャンルのないことが、よけい自分を説明しにくくし、あまり理解されず、節操がないミーハーのように受け取られそうで、専門分野がないことを弱みだと思っていた。
ただ、ハッキリしているのは、私が、一線で活躍する人や著名人を扱うことが多いのは、けっしてミーハー的なファン的な興味からではないし、「著名さ」にこだわっているわけでもない。
私を突き動かしている直感は、ジャンルにとらわれない「何か」。
そのカンに従っていると、結果的にジャンルが様々になってしまう。
これは、自分でもモヤモヤとナゾだった。
バラバラと思っていたけど、実は一貫していた
そのナゾがKATAEさんによって解明された。
『個人の価値を最大化することで、社会に新しい価値を提案する人』
KATAEさんの解釈だ。
言葉にするとなんだか壮大すぎるけど、コレだ!
私の過去の思い、キャリアが一本の串にス~ッと通った。
自分に自分で合点がいった。
私は、「書く」のは手段で、本願は「人のプロデュース」「企画のプロデュース」だと思ってきた。
だけど、その人やコトが輝けばそれで終わり、ではなくて、もう一つ先の拡がり。
個人の経験や魅力から得られる、「こんな考え方もあるよ」「こんな心地よくなる方法もあるよ」「あなたはどう思う?」的な"一考のヒントを投げかける"までがセット。
受け手にとって、「暮らしや心持ちのキッカケ」の一つになってほしい。
たとえ小さな雑誌の原稿にも、なるべくその思いを盛り込んできた。
あくまで私の視点ではあるけれど、リスペクトポイントを見つけ、ある意味「新たな価値」につながりそうな人やコトに焦点を当て、それを世の中に伝えたい(提案したい)と思ってきた。
だから、たまたま私のアプローチは、結果として社会に影響力のある著名人が多かったのだ。
著名人といっても、世間の人気とか評価の高さは全く関係ない。
無名な人でも、その視点や理念が心の琴線に触れることはある。
むしろ私は、「異端」や「発展途上」に惹かれることが多い。
異端や発展途上には、そこまで培われた経験はあるのに、その価値をまだ十分に活かしきれていない、社会に評価されていない、そんなもったいなさを、背景に感じるからだと思う。
支離滅裂だと思っていた私のキャリアが、やっと筋が通った。
これは、私自身のネクストキャリアへのキーワードになりそうだ。